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連載コラム「ナースプラクティショナーまでの道 第11回:大学院への進学、そして通学

その他投稿日時-(2012-11-15)中山 法子さん

第11回:赤道14周分の大学院遠距離通学

看護師になってから20年間、糖尿病・末期がんやストレス性疾患の患者さんたちからたくさんのことを学んだ。


 患者さんに求められている看護師の役割は、ある領域の専門の看護師というよりも、複数の疾患や様々な状況下にある患者さんの情報を統合しての生活指導、あるいは、病態や薬・検査に関して医師の説明ではよく理解できないのでわかるように説明してほしい、患者さん自身が今気になっている症状はどう解釈したらよいのかなど医学モデルに関するニーズが非常に多かった。


  主治医が専門医であろうがなかろうが、患者からの看護師へのニーズに大差はなく、これからの時代は看護師も医学モデルの修得が必要だと感じていたところに、東京ではナースプラクティショナー(以下、NP)の養成が開始されることを偶然に目にした。


大学院への進学を模索中だった私が「今学ばなければならないことはこれだ!」とピンときた。


しかし、長女は関西で大学受験を控えており、東京に引っ越すわけにはいかない。


仕事量や通学時間・経済的な問題などいろいろあったが、強い動機から半ば強引に受験を決めた。


しかし、当時の上司は大反対で、キャリアの構築を考えると専門看護師コースに進学したほうがよいというアドバイスだった。


確かにNPは日本で制度化される目処は全くたっていない。


しかし、看護師が医学モデルを強化することは患者さんのニーズがあることなので、その現場で感じたことを大切にしたかった。


私の覚悟を理解した上司は、その後は陰に日向に私の強力な支援者となってくださり、上司でなくなった今も遠くから支え続けてくれている。


  大学院に入学したあとは、木・土曜日は東京で必須科目を1日中受講しなければならない。


その他の共通科目も受講したいものはたくさんあったが、仕事との両立では修了要件の最低限の単位をとるだけでいっぱいいっぱいだった。


日〜水曜日と金曜日は大阪で仕事なので、週に2回東京に往復する必要があった。当初は1週間のうち水〜土曜日までの連続4晩を高速バスで過ごすスケジュールにしていたが、これは2ヶ月もたたないうちに体力を消耗し、仕事にも学業にも健康にも支障をきたすことが明らかだった。


そこで大阪−東京間の4回の移動のうち、3回目だけは飛行機移動として自宅のベッドで寝ることにした。


これで実習までの1年3ヶ月をどうにか持ちこたえた。計算してみると、赤道14周分の距離を高速バスで移動していたことが判明した。


本当によく通学したと心底思う。


それだけの通学時間があれば、本来ならもっと学ぶことができたはずで、学び損ねたことはたくさんある。


しかしこの遠距離通学をやり遂げた自信がその後の私を踏んばらせてくれる。


今も通学で利用した高速バスをみるたびに、当時バスから地上に降りた瞬間に、むくんでパンパンになっている足の血流が促進されるときのジーンとした痛みがよみがえる。


そして、周囲の人の温かい見守りや励ましにどれだけエネルギーをいただいたことか、
思い出すと今も目頭が熱くなる。


こうやって人に見守ってもらえると、本来備わっている以上の力が出せるのかもしれない。

その他中山 法子さん

中山 法子さん
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中山法子(なかやまのりこ) 山口県出身 (財)田附興風会(たづけこうふうかい)医学研究所 北野病院 看護管理室師長 ナースプラクティショナー(慢性)・糖尿病看護認定看護師
中山 法子さん

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