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感染管理認定看護師が教える現場のノウハウ連載第4回

感染管理投稿日時-(2014-02-21)ナースマガジン

手袋から考える医療安全

 ~目に見えない感染を可視化する~

本連載では、看護臨床現場の感染予防について、3 回にわたり考えてきました。
今回は、鶴巻温泉病院で院内の感染対策に取り組んでいる、感染管理認定看護師の小澤美紀感染管理室長はじめスタッフの皆様のご協力のもと、目に見えない感染を可視化する実験を行って頂きました。

「感染の可視化」の意味

瀬尾 前回の取材で、蛍光塗料とブラックライトを使って、汚れの伝わり方を視覚的に理解してもらう勉強会を行っているとお聞きしました。
本日はそれを実際に行って頂けるとのこと。感染管理の手袋メーカーとしても大変興味深く、伺わせていただきました。

小澤 医療現場にいる私たちの手には、目に見えない細菌がいつもくっついています。
特に、一時的に手にくっつく一過性細菌は感染源になりやすいため、目に見える汚れがなくても手洗いを怠らないことが重要です。
そこで、院内スタッフの感染対策への意識を高めるために、目に見えない細菌を可視化する、ブラックライトを利用した勉強会を行っています。スタッフが知らないうちに感染の運び手とならないように、毎年、新人を対象に行っています。
看護師以外の職種も含め、70名位が参加しています。また、接触感染経路も持つインフルエンザやノロウイルスなどが流行り出す前にも、実施しています。
正しい手洗い、正しい手袋の着脱で、院内での感染拡大を防ぐよう呼びかけています。

【実験1】

無意識な動作でも感染は拡大する

小澤 今回は5人で握手の実験をしてみます。汚れをつけた手袋できれいな手袋の手に握手を繰り返していくと、どんどん汚れが付着していくことがわかります。
ケアに使用した手袋に目に見える汚れがないからといって、交換せずに次のケアを行ったりすることはないでしょうか。
また、そういう手袋で無意識に自分の髪や顔を触れてしまっていないでしょうか。
手袋を外す時に、手首や衣服に汚れや細菌をなすりつけてしまうこともあります。

きれいに見えるテーブルの表面も、ブラックライトで照らすと、汚れが付いているのが分かります。知らぬ間に、こういうところから細菌に触れてしまうことがあるわけです。そのまま病室の患者さんのところに行って処置やケアをした時に、患者さんの体、ベッドの柵、布団などに細菌をばらまいているかもしれません。
目に見えない汚れや細菌は、見えないからこそ、注意が必要なのです。

【実験2】

意外に難しい完璧な手洗い

小澤 手袋をつけることも大切ですが、ていねいに汚れを落とす手洗いは、感染対策の基本です。
みていると、ほんの数秒しか手を洗っていない、濡らしただけのような人もいます。病棟によっては、秒針つきの時計を配置して、しっかり30秒以上洗おう、と励行しているところもあります。

だいたい、洗い残しのあるところは決まっています。親指や指の間・付け根、手首、指先や爪の際、指輪と指の隙間等です。マメができてごつごつしているところや、手荒れでカサカサしているところなどは、特に汚れがとれにくいところです。
ナースの手荒れ対策は、感染予防の意味からも重要なんですね。

一手技、一手袋

小澤 手袋は、感染予防になくてはならないものです。しかし、着けているからといって過信してはいけません。正しく使用してこそ、感染予防につながるものです。
一人の患者さんの看護にも、複数の行為・手技があります。その手技ごとに手袋を着け替えないと、思わぬところから感染が拡大してゆくと考えましょう。

瀬尾 今回の実験で、読者の皆さんに、改めて感染予防の重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。手袋は、正しく使ってこそ、感染予防の目的が果たせるのだということを、私達も呼びかけていきたいと思います。
ありがとうございました。




協力:
医療法人社団三喜会 鶴巻温泉病院
    スタッフのみなさん

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