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Go Go Mr.Nurse! File 第4回

Go,Go,Mr.Nurse! File.004 岩本大希さん

投稿日:2015.01.22

「新卒ナースに訪問看護は無理」の 都市伝説を打ち破れ!

訪問看護ステーションは数あれど、20 代の所長さんって聞いたことありますか? 
今回お話を伺った岩本大希さん(27歳) は、ワンコイン健診で知られるケアプロ株式会社が在宅医療事業をスタートさせた時から同事業に参画。
訪問看護ステーションを立ち上げ、史上最年少の24歳で所長に就任。在宅医療事業部の部長でもあります。
「まだまだマイナー」という訪問看護・在宅医療を、誰もがマックのメニューから選ぶような身近なレベルにするべく、日々奔走中。

岩本さんの歩み


2006 年 慶応義塾高等学校から同大学看護医療学部へ
2010 年 同大学卒業。北里大学病院本院の救命救急センターで勤務
2012 年 ケアプロ株式会社に入社。
     訪問看護ステーション立ち上げに参画、全国一若い所長に。 結婚!
     訪問移動中、痛恨のバイク事故に遭遇するも、日ごろの筋トレのお蔭で
大事に至らず。
2014 年 事業拡充に向けて奮闘中

マイノリティは強み

岩本さんが高校生のころ、高校の母体である慶應義塾大学に看護医療学部が新設されたばかりで、テレビでは「ナースマン」がドラマ化されていました。男性看護師がフォーカスされ始め、身近な大学がその養成に乗り出したことが、岩本さんに看護師の道を歩ませるきっかけになったそうです。

「もともと医療に興味があり、医療現場の中で一番患者に近い存在で直接的なサービスを提供できる看護師は、面白そうだなと思ったんです。
圧倒的に女性が多い世界ですから、何かにチャレンジしようと思った時もむしろチャンスが多いのではないか。マイノリティである立場を強みにしようと考えました。
看護学生時代は、医療政策や制度への興味が強く、そういう勉強もしていました。」
と当時を振り返る岩本さん。

在宅医療を支える訪問看護が急性期病院も救う

大学卒業後、北里大学病院の救命救急センターで岩本さんが日々直面したのは、一命を取りとめた患者さんの転院や在宅移行がスムーズにいかない現実でした。
訪問看護のサポートがあれば家に帰れるのではと思われる患者さんでも、在宅という選択肢はほとんどなく、転院といっても先方のベッドが空くまで退院できません。その影響でICUでの入院が長引けば、患者さんも病院側も負担が増え、救急搬送も受け入れられなくなります。

「家に帰れる人を増やさないと問題解決にはつながらない。在宅医療や訪問看護がまだまだ足りていないし受け入れられていない、と病院勤務時代に強く感じていました。
この頃、ケアプロ株式会社(以下ケアプロ) の川添社長と異業種交流会でお会いしました。
東日本大震災被災地や都会で、訪問看護や在宅医療が充実していないことによる孤独死や、ケアプロで訪問看護事業を立ち上げる計画などを話してくれました。
看取り難民問題を解決するには、訪問看護ステーションを量・質共に充実させることが必須という、同じ認識であることに心を動かされ、『僕にもチャレンジさせてください』と申し出ました。
その場で『いいよ』という返事をいただき入社が決まったんです」
と、あっという間の採用を思い出して岩本さんは笑います。

都市伝説「新卒ナースに訪問看護は無理」からの脱皮を

こうして2012年3月、岩本さんはケアプロ訪問看護ステーション東京の所長に24歳の若さで就任。
「新卒ナースには訪問看護は無理」という、根拠のない都市伝説を打ち破り、24時間365日、ニーズがあればいつでも訪問、を実行するため、自ら夜間訪問を一手に引き受けた時期もあったとか。
一方、根強い都市伝説に対して、「むしろ訪問看護こそ若い人にやってもらわないと」 という声もあるのだそうです。

「新卒ナース受け入れのためには、標準的な教育プログラムを構築する必要があると思います。今は病院ナースのような研修ラダーがあるわけでもなく、受け入れるステーション側もどのように教育すればよいのか不安を抱えていますから。
僕たちも新卒訪問ナース第一号として新卒ナースを採用したんです。実践を通して成長していく過程を、どんな教育プログラムをどういう手順で進めていったかという視点でまとめ、学会発表もしています。
こういう取り組みを全国に広めていこうという考えを持つ人たちと、標準的なプログラムを作る活動をしているところです。
そのテーマでセミナーを開催すると、毎回多くの参加者が集まります」。

まさに都市伝説からの脱皮!

「経験が足りない分、勉強もしますし、困ったときには師匠と仰ぐ訪問看護のパイオニアナースたちのコンサルテーションを受けたりしています。
僕らは若手専門だといっているのではありません。若手でもできますよ、ということを知ってほしいんです」。

そういう岩本さんの言葉から、ゆっくりと確実に看護業界を動かしている底力を感じました。

一度は体験してほしい訪問看護

最後に訪問看護師を目指す皆さんに一言。

「独立開業や新しいことへのチャレンジを考えている方にとって、訪問看護はチャンスが多いですよ。ケアプロのナースたちも、将来は地元で訪問看護ステーションを立ち上げたい、だから今ケアプロに来ているんだ、と言います。
訪問看護師には、自分で考えて関係者を調整し、利用者さんのニーズをくみ取り、かつ病気や障害と折り合いをつけながらの生活をマネジメントする、大切な役割があります。訪問看護が介入したことで、利用者さんの望む療養生活をサポートすることができた時の充実感や喜びは、何とも言えません。
新卒でそういう経験をしたナースが病院へ転職することは、これからの日本に増えていくと思いますが、そこから病院看護が変わっていくかもしれません。退院調整時に退院後の生活をわかった上での関わり方もできます。
とにかく看護師になった以上は、人生のどこかで一度は、格別の達成感のある訪問看護を体験して頂きたいですね」
1.病院ナースにも在宅医療や訪問看護ステーションをPRしよう!
2. 若さと体力を過信せず、事故やケガに注意!
3. 都市伝説に負けない

そして訪問看護を楽しもう!


※ケアプロではCAN-GO.comという新卒新人訪問看護師とステーションのマッチングサイトを運営しています。完全無料で、若手を受け入れるステーションへの見学が申し込めますので、ぜひ、見てみてください。


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