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【患者さんの真のプロフィールを知るために】第2回 主観的情報のとらえ方

その他投稿日時-(2015-03-23)ナースマガジン

私は看護大学で教員をやっております。授業や臨床の場で、学生の感想や意見から学びや考え直す貴重な機会を得ています。
今回は、看護師が患者の声を聴くこと、伝えることの意味を考えてみたいと思います。

本当の思いを遮る援助

『今まで、私は認知症の人が言葉をうまく発せないことを知りませんでした。認知症の人が援助者から「これをしたらどうか」と提案されたことに答える言葉も思いつかずに、その言葉に従ってしまうというのが、私はとても怖くなりました。
その人によかれと思ってしたことで、「その人らしさ」を失わせることがあることを知り、驚きました。
その人を本当によく見て、何を思っているのかを汲み取ることでこそ、「その人らしさ」が尊重された援助に繋がっていくのだと思いました。』

これは、クリスティンさんの講演集(※注)をまとめたDVDを観た学生の、感想の一部を要約したものです。
認知症の人に限らず、私たちは患者の声を聴き遂げず、あるいは意味を掬い取ろうとせず、私たちが意図する援助を一方的に提供していることはないでしょうか。

※注)永田久美子監修「認知症の人から学ぶ~クリスティーン・ブライデン講演より」(認知症介護研究・研修東京センター、2007): 認知症と診断されたクリスティーン・ブライデンさんの来日公演(2003 年11 月)を中心に、彼女が体験したことや体験を通して必要だと感じたケアを、彼女自身の言葉で伝える内容となっている。

誰の主観?

皆さんは、患者さんを理解するとき、患者さんが言ったこと(主観的情報)だけでなく、バイタルサインなどの客観的情報も併せた二つの側面から情報を収集し、何らかの判断をしているでしょう。
そして看護記録に記すとき、主観的情報は患者さんの言った言葉そのままを書くかと思います。何故でしょうか。
主観的情報はその人の言った言葉のままです。そこには私たちの主観は入り込みません。
例えば、「お腹は痛くないけど…。どうも食欲はありません」と言ったのに、「お腹は大丈夫、食欲はありません」と看護師の解釈が入った情報であれば、患者さんが言った「お腹は痛くないけど…」の情報は正確に伝わりません。
いわゆる伝言ゲームのようなもので、最後に伝わった看護師には“食欲のない患者さん”というズレたイメージ像を作り出しかねないのです。

言葉に隠れている情報を読み取る

最近、実習指導で気になることがあります。それは、看護学生たちが患者さんの言った言葉をそのまま受け取り、その背景を考えられなくなっていることです。
先ほどの、「お腹は痛くないけど…」といった患者さんの心理背景はどうでしょう。
あなたはそのまま「お腹は痛くない」と受け取り、次の勤務者へ伝えますか。あるいは、患者さんは何か違うことを言いたかったのではないかと推察し、次の質問へ繋げるでしょうか。
そのときの表情や仕草などにもよりますが、この患者さんの場合、“お腹の痛みはないのに、食欲が出ないことを気にしているのではないか”という解釈もできます。
もちろん、客観的な情報と照らした上での判断は必要です。しかし、患者さんが言った言葉の心理背景をちょっとでも思い浮かべてみなくては、本当の意味はわかり得ないことではないかと考えます。

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