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取材レポート「Easy Tastyle Kamulier ( カムリエ)」

摂食・嚥下障害者ケア投稿日時-(2017-03-28)ナースマガジン

歯科・医科・パティシエのコラボレーションから生まれた
Easy Tastyle Kamulier ( カムリエ)


東京都文京区本郷という医科・歯科系大学に囲まれた地域の一角に、ガラス張りのショールームショップKamulier(カムリエ)はあります。
ショーケースの中にはきれいに並んだ嚥下スイーツ(ワークショップの時間以外はカフェとしてオープン)、陳列台には色とりどりの口腔ケア関連製品や飲み込みやすさに配慮された介護食、そしてカトラリーや書籍も所狭しと並べられています。
壁には「料理教室のメニュー評価表」。
お店が掲げるEasy Tastyle とは?

店長の志水香代さんにお話を伺いました。

「口からおいしく食べること」を支えたい

2013年9月、カムリエはオープンしました。
高齢化社会への社会貢献につながる事業として、歯科の医療従事者だけでなく一般市民にむけても「口から食べる大切さ、楽しさ」を支える事業活動を展開しています。

「高齢者やお口の機能が低下した方の生活を、楽しくお食事を通して支えていこうという熱い思いが、この新事業の中心にありました。
介護食、といっても私たちが普段食べている食事を工夫し、噛んだり飲み込んだりしやすいおいしい食事(=EASY FOOD)を楽しめる生活(=Easy Tastyle)を広めていきたいと考えました。
私はカフェの経営とスイーツを作って販売をするパティシエだったので、その経歴を生かしてカムリエの店長を任されることになりました。

「当初、私は摂食嚥下について、よくわかりませんでした。医療関係者の方も力を入れている分野ではないことを知りました。
しかしこれからは、身近な問題として多職種の方と連携をとり、『口から食べること』を支えていきたいと思いました」

みんなで食べられるケーキを

在宅・施設にかかわらず、スイーツを食べたいという高齢者の声は多いようです。
「飲み込みにくい方に、口の中でバラけないで安心しておいしく食べていただけるスイーツの創作にあたり、人生を楽しむことをライフワークとし、パティシエの立場からチャレンジしている辻口博啓さんに、お声がけをしました。
辻口さんは、ご自身も『新たなスイーツの世界の幕開け』、と熱心にとり組んでくださいました。

私たちは口の中でバラけず、飲み込みやすいスポンジのケーキにこだわりました。
辻口さんも何度も試作を繰り返してくださって、半年くらいかけて、ついにケーキの形をした嚥下スイーツが出来上がりました。
嚥下食でもケーキはできるんだ!と感動しましたね。

形は三角も考えましたが、どこから食べても一口用のスプーンに一口分がすくいやすいように、という計算もしていただいて、最終的にこの長方形になりました。
カムリエのケーキは、嚥下食としても、ケーキとしてのおいしさも、十分満たしています。
ですので、皆さんで一緒に召し上がっていただけます。
家族一緒に同じものを食べて『おいしいね』、と言い合えることが嬉しかった、というご家族の喜びの声をたくさんいただいております。
本当にいいお仕事をさせていただいています」
と笑顔の志水さん。

「介護食」のハードルを下げよう

カムリエではスイーツや市販の介護食の販売だけでなく、「家庭で作れる介護食・介護食料理教室」も掲げています。

「介護食は、飲み込みが弱くなっている方が召し上がるものですから、ご家族もハードルが高いと思う方が多いようです。
そのハードルを下げ、気軽に作っていただけるように料理教室やセミナーを開催しています。

野菜の切り方(食べやすい厚みや形)調理の仕方、調理器具によって、食材が同じでもこんなに食べやすくなるということを、お伝えしています」

一方、スタッフ間で共通認識ができていないと、咀嚼や嚥下のレベルにあった食上げが適切に行われない原因にもなりかねません。
専門職と一般の方の間の溝、職種間に生じている溝、それらの認識の溝を埋めていくためにも、料理教室やセミナーの開催は意義深いものではないでしょうか。

食への気づきをフィードバック

最後に、食をめぐる認識の溝を埋めるための、病院勤務ナースの役割を伺ってみました。

「病院で出されるお食事を―介護食と呼ばれるペースト状のお食事も―、ご自身でまず召し上がってみてください。
食事の味や形状だけでなく、食器の使いやすさや食欲をそそる工夫、落ち着いて食べる環境が整っているかなども含め、気がつくことがあると思います。

食への気づきを周囲のスタッフにフィードバックして共有することで、さらに工夫できることは増えていきます。
さらに、多職種を巻き込んで一緒に食支援をしていくためには、メニューを考える人や調理をする人に、その食事がどのように、どのくらい患者さんに食べられているのか、を伝えることは、とても大切なことではないでしょうか。

また、病院内で大量に嚥下食を作る場合は、メーカーの持っているノウハウを取り入れると作りやすいこともあるので、口から食べることを支えたいという方たちと、常に情報共有して、患者・家族の笑顔につなげていってほしいと思います」

食を支える人たちが集まる拠点として、第二、第三のカムリエが誕生することでしょう。
あぁ、両親にも食べさせてあげたかったなあぁと思いつつ、辻口シェフのスイーツを味わい、幸せな気持ちになった取材でした。

(ナースマガジン編集部)

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■取材協力 
Easy Tastyle Kamulie r(カムリエ)
〒113-0033 
東京都文京区本郷3-2-15
新興ビル1F
TEL 03-3812-6036   
OPEN 月~土 11:00~19 : 00
CLOSE 日・祭日
http://www.kamulier-gc.jp/

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