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ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL第1回

ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL ” 理解なき支援が「溝」を生む” Vol.01_その1

投稿日:2017.04.07

疾患の治癒・回復、免疫力アップのためには、低栄養状態の改善が欠かせない。
在宅療養の場では訪問看護師をはじめ、地域の多職種チームが低栄養改善を図る。しかし、実際は患者本人と家族がその役目を担うことも多い。
患者、家族が『栄養」に対しての問題意識を持っていなければ、また実行力がなければうまくいかないケースもある。

平成28年4月の診療報酬改定では栄養食事指導の対象、指導料、算定要件などの
見直しが行われ、在宅療養者に対する「栄養」に関する正しい知嵩の啓発と実践的な指導を行う社会的な流れができつつある。
しかし、専門知識のない患者とその家族に、「栄養」をどう指導・実践させていくのか。栄養指導の理想と現実を取材した。
取材協力:医療法人社団隆靖会 墨田中央訪問看護ステーション

「わかる」と「できる」は違う 一病院の栄養指導に意識改革を一

「退院時、病院で栄養指導はありますが、単に知識を伝えるだけの場合が多い。
これから自宅で療養しながら生活する患者にとって、退院後に自分たちで実践できなければ指導に意味はありません。
地域の多職種チームは患者・家族が頭でわかることと実践できることの違い、病院と在宅の違いを理解する必要があります(図1)」
と語るのは医療法人社団隆靖会墨田中央訪問看護ステーション所長で看護師の廣瀬祐子さん。
月平均で80世帯(件数にして約400件)を訪問し、患者とその家族を支えている。
「病院で栄養指導を受けても、自宅ではお茶碗、お椀の大きさが違うため、自分の感覚で調理し、栄養バランスが悪くなることもある。
在宅現場では実際に使っている食器、計量器、調味料まで細かく確認することが大切で、そこから指導が始まります」。

「在宅療養の質は、各家庭の理解力、介護力、経済力に左右されることが多く、力が揃わないことも多々あります。
栄養知識の欠如、高齢夫婦世帯の老老介護による介護力不足、生活保護等の影響による経済力不足、様々な理由で十分な看護や介護を受けられない患者もいます(図2)」。

低栄養の改善がうまく進まないケースも多い。体力、免疫力が低下して、ひどい場合は死に至ることもある。

3つの力の不足を見極め、どう埋めていくか実践的な方法を考え、家族が疲弊しないようにさじ加減を調整し支えることは訪問看護師ならではの大切な役割である。
取材にご協力頂いた、墨田中央訪問看護ステーション所長の廣瀬祐子さんをご紹介します。
廣瀬 祐子(ひろせ ・ゆうこ)
医療法人社団隆靖会墨田中央病院を母体とし、急性期・回復期・ 維持期と連動できるように設けられた在宅部門、墨田中央訪問看謹ステーションの3代目所長。
病院スタッフへの研修のみならず、「医療と介護の連携推進協議会」の委員も務め、多職種による地域包括ケアの実践に向けた研修にもカを入れている.

ニュートリション・ジャーナル
理解なき支援が「溝」を生むVol.01
その1『栄養指導の理想と現実』

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