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ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL ” 理解なき支援が「溝」を生む” Vol.01_その2

その他投稿日時-(2017-04-08)ナースの星編集部

取材協力:医療法人社団隆靖会墨田中央訪問看護ステーション

~在宅ならではのアプローチ 好きな物を好きな時に~

「 退院後 、低栄養状態の患者さんをサ ポー トしていて、大変なことは『食べてくれないこと』です。
さまざまな食材、栄養補助食品などを試しても食べられない場合、最終的には再入院する場合もあります。
在宅では経口摂取ができなれば衰弱していくんです」。

重篤になる前に改善策をいろいろ試す必要がある。

「まずは食べられる物、好きな物から試します。ご飯を食 べ なくても、お菓 子 を食 べ られ るの であ れば、そこにアプローチします。
アイスクリームやチョコレートなどはカ ロリーが高 いので、少量でもエネルギーが確保できます。しかし、水分が摂れないと脱水に移 行するので、お粥、果物、ゼリー、アイスキャンディーなどから水分を摂取 していただくこともあります。
高齢者、認知症の方は、嗜好や今までの生活歴から食べてくれる物を試しています」。

改善策を導き出すには、家族への聞き込み調査がポイントだ。
義歯が合わず食べられない人、義歯を外すと食べられる人などもいるので、歯科医師に協力を要請することも多く、嚥下食、咀咽力の確認は不可欠という。

Cさんは90代の女性、要介護5。
COPD、心不全、低栄養の状態で退院。朝4時から12時まで仕事に出かける長男との二人暮らしで日中独居。
訪問介護は毎朝・夕、ヘルパーによる食事介助とオムツ交換。訪問看護はHOT、尿道留置カテーテル管理、栄養指導および管理、リハビリテーションという内容である。

在宅に帰った直後、Cさんから食に対しての意思表示があった。
「入院中の食事はまずく、食べる気がしなかった。今はあずき入りアイスを食べたいが、ダメか?」を話されたという。
誤嚥の心配があるため、少しずつ試してみましょうと話すと、嬉しそうな表情になった。その場ですぐに家族が買いに走る。

「退院直後は、食事よりアイスがおいしかったようで、一日1~2本を召し上がり、ベッドの上にあずきの粒が落ちていることもありました。
10日後くらいから、飯の量が少しずつ増えていきました。

アイスがマッサージ的な効果と糖分の補給になり、食欲アップにつながったと思います。
Cさんの場合は,あずき入りのアイスがきっかけでしたが、ほかの患者さんでは、おはぎとサイダーで半年ほどエネルギーを確保している方もいました。
好きな物を少しずつ食べるようになり、食事への意欲と楽しみから食事量が増えていくケースを多く経験して います」。

在宅現場では『食べられない』の支援が先決である。
支援していく中で、栄養を充足させるという更なるステップアップが可能になる。
必要な栄養素を語るだけでは、在宅現場の食は支えられない。
また何がきっかけで、食べることへの意欲が刺激されるかは、患者や家族の生活を観察することが必要だ。
日々のコミュニケーションの中に、ヒントが隠れていることもある。


取材にご協力頂いた墨田中央訪問看護ステーション所長、廣瀬祐子さんをご紹介します。

廣瀬 祐子(ひろせ ・ゆうこ)
医療法人社団隆靖会墨田中央病院を母体とし、急性期・回復期・ 維持期と連動できるように設けられた在宅部門、墨田中央訪問看謹ステーションの3代目所長。
病院スタッフへの研修のみならず、「医療と介護の連携推進協議会」の委員も務め、多職種による地域包括ケアの実践に向けた研修にもカを入れている.

その他・透析ケア・透析ケアナースの星編集部

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