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ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL " 理解なき支援が「溝」を生む" Vol.02_その3

その他投稿日時-(2017-08-29)ナースの星編集部

在宅での食支援は“最適化” がポイント

家族が“食べること”に固執しすぎるケースも

一方、患者本人が、食べることをストレスや苦痛に感じているのに、家族が食べることに固執している場合もある。
「家族には、“食べさせられた満足感”と“食べることにこだわらず楽しく過ごすこと”のどちらを選びますか?という話をします。
必ずしも『食べること=楽しみ』とはならないケースがあります。
説明をしてもなお、食べることを最後の希望と考えている家族もいる。そういう方には、そばにいて話しかけることや、暖かな手でさすってあげること、そんな楽しみもあると思うよ、と食べること以外の楽しみを探す道も示すよう、心掛けています。
伝え方は、難しいですけどね」と玉元先生は語る。

食べられない現実を徐々に受け入れてもらえるように、段階を踏んでの対話を、患者、家族、医療チームが二人三脚で行う。
「とはいっても、食べる機会は作るようにしています。“ チャレンジをしたけれど、うまくいかなかったこと” と “チャレンジもさせてもらえなかったこと” は、患者や家族の受け止め方に大きな違いがあります。
家族が『何もできなかった』と自身を責めて、後悔を引きずったまま生きることは、患者にとっても不本意でしょうから」
と、その視線は患者にも、家族にも等しく注がれている。

「リハビリの役割は、一言でいうと“最適化する”ことですから、終末期、亡くなる直前まで続きます。
在宅での食支援において、病状が安定している時は食べることが最適であっても、終末期にはそうではないかもしれません。その時その時で、生活環境に合わせて、何を最適とするのか、それを探していくんです。
これは患者さんとのやり取りを何度も何度も繰り返してやっと実感したことです」。
その言葉には説得力があった。

病院側は患者の生活を想像し、ゴールの設定を

「在宅医療チームの仕事は、食支援を通じて、治療が必要であれば、急性期病院をはじめとする専門領域につなげ、ケアが中心なのであれば、在宅医療チームの僕らがいろいろ工夫をして進んでいきます。
つまり患者の望むゴールに添って何ができるのかを考え、溝を埋めていくのが僕らの仕事です。
医療者であれば、キュア(治療)も、ケア(支援)も、どちらも提供できなければいけません。正しい判断力とノウハウ、コミュニケーションツールなど、幅広い情報とネットワークを持っていることが大事なんだと思います」
と語る渡辺先生。

「病院側の目指すゴールは、患者を治し退院させること。
患者側にとって退院はリスタートで、自分の一生を全うすることがゴール。退院させる病院側が退院後の患者の生活を想像し、視野をあとほんの少し広げてくれたなら、病院側と在宅医療側がスムーズに連携できるようになる。
病院側の目指すゴールが、例えば“肺炎を治す”から“肺炎を治して家でご飯を食べられるようにする”になれば、医療の質が向上するはずです」と熱く語る。

リスクがある中で、何ができるか判断を積み重ねていく在宅医療。その場で取り組まれる食支援は、病院と「食べたい想い」を抱えた患者の双方をつなげ、溝を埋める役割を担っているかもしれない。

続きはその4
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ニュートリション・ジャーナル
理解なき支援が「溝」を生むVol.02
その1『食支援が病院と在宅をつなぐ』
その2『食べる楽しみを届けてくれた「成形した嚥下食」』
その3『在宅での食支援は「最適化」がポイント』
その4『鷲澤尚宏先生に聞く』
その5 『おうちでできるえんげ食Cooking』

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