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聴きある記「ナースマガジン栄養ケアセミナーpart2」

その他投稿日時-(2018-02-26)ナースマガジン

2017年 大阪(5/14)・東京(6/4)・名古屋(6/25)の3会場で開催された栄養ケアセミナー。
前号の水野英彰先生(テーマ:Acute Stroke 患者に対するアウトカムを生む地域包括経腸栄養ケアの実践―認定看護師を中心とした新たな経腸栄養管理ENSBOI の実践)に続き、今号では田中智恵子先生、三鬼達人先生の講演要旨を紹介する。


経営視点から見た栄養管理

―経管栄養施行時のトラブル対策の意義

病院の経営事情

わが国は高齢化する一方、病院を受診する患者数は減少している。わが国の病院の70% 、自治体病院では90% が赤字経営。看護現場の問題として、
① 多忙で仕事をこなすことで精いっぱい
② 記録、情報収集など間接業務が多い
③ 患者状態の観察結果が看護計画に生かされていない
などがある。

経管栄養のトラブルと対策の意義

経管栄養のリスクからコストを考えてみる。
経管栄養のリスクとして下痢、褥瘡、逆流がある。これらが発生した場合、病院が支払うコストを試算すると、下痢(感染性下痢発生時37,758円)、褥瘡(予防2,240円v s処置8,275円)、逆流(ない場合2,240円v sあり9,772円、+肺炎の場合13,588円)となる。

逆流により肺炎が発生した場合、医療の質・患者満足度・看護師のモチベーション、利益が低下する。

看護師にできる改善の方法

データと論理に基づき、総合的視点から解釈し、実行可能な解決策を立案し、実行し成果を出すことが必要(図1) 。
改善の進め方は、看護計画と同様に考えることができる。
問題解決のプロセスは、
①現状把握、課題認識
② 原因追究、本質的問題発見
③ 改善策立案
④ 実行・モニタリング
の順に進める。

看護師による改善は、医療の質の向上、顧客満足度、従業員満足度、利益の4つの視点から考えることが重要。


脳卒中急性期における

経口移行プロトコールの実践例

誤嚥性肺炎対策の重要性

肺炎による死亡の7割程度は誤嚥性肺炎が原因とされ、高齢患者では誤嚥性肺炎による死亡の割合が高い。
医療費でみると、誤嚥性肺炎患者の入院費用は約4 , 4 5 0億円/ 年となっている。誤嚥性肺炎の治療方針としては、
①口腔ケアを行う
② 摂食・嚥下リハビリテーションを行う
③ 栄養状態の改善を図る
などが示されている( 日本呼吸器学会 医療・介護関連肺炎診療ガイドライン2011)。

摂食嚥下障害で嚥下造影適応となった症例の原疾患では、約半数が脳血管障害。脳卒中嚥下障害発生率は、急性期1週以内:3〜5割、1か月以内:1〜2割、3か月以内:5% 以下であった。
また、誤嚥してもむせない不顕性誤嚥が半数ある。

嚥下障害の原因部位では、
① 球麻痺: 嚥下中枢が直接損傷
② 偽性球麻痺: 嚥下反射が残存
がある。
嚥下機能をモデル化したものとしては4期モデル、プロセスモデルがある

プロトコール導入とチームアプローチにより
誤嚥性肺炎発症率が大幅に低下


藤田保健衛生大学病院では、脳神経系ユニットのなかに脳梗塞治療に特化したSCU(stroke care unit)6床を有し、脳卒中急性期の嚥下障害に、医師、認定看護師、嚥下チームによるチームアプローチを行っている。
摂食・嚥下機能評価の流れを示す(図2)。
EAT-10を使ってスクリーニングを行い、3点以上でチームアプローチを開始する。入院患者(n=505)について、入院時嚥下障害の有無、誤嚥性肺炎発症率とEAT-10の点数について検証したところ、いずれも高い相関がみられた。

誤嚥性肺炎予防では口腔ケアが重要であり、歯磨き、義歯着脱、うがいについて自立度の評価をするBDR指標を用いている。プロトコールを導入し、チームアプローチを開始した結果、誤嚥性肺炎発症率は 8.7 % から 1.9 % に低下した。
海外の報告でもプロトコールの有用性が示されている。

口腔内評価ツールとしてはBOAS、OAG、ROAG、OHATがあり、それぞれ適した対象患者がいる。OHAT の信頼性を検証したところ、研修をうけた群で信頼性が高かった。
嚥下食では、開始食としてエンゲリードを使用。また、プロセスモデルに基づき開発された咀嚼調整食品としてプロセスリードがある。
食事開始後は、摂食ペース、むせ・痰、咳、声質、口腔内残渣、発熱、CRPなどの項目をチェックする。
① 食事時間が30分以内
② 食事摂取量が7割以上
が3食続いたときは、食事形態をアップする。

プロトコール導入時はいろいろな議論があると思うが、何を目的とするかをはっきりさせることが重要。これからは、脳卒中のみならず、認知症への対応も必要となろう。

ナースマガジン編集部より
本セミナー企画に協賛いただきました、株式会社大塚製薬工場・イーエヌ大塚製薬株式会社・株式会社三笑堂・株式会社栗原医療器械店・株式会社名古屋医理科商会の皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。

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