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西山順博先生に訊きました 第10回

西山順博先生に訊きました 『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第10回

投稿日:2020.03.09

微量ながら必須の栄養素、ミネラルのはたらき

「水兵(H・He)リーべ(Li・Be)僕の船〔B・C・N・O・F・Ne)…」、元素記号を語呂合わせで覚えたこと、ありませんか?

1OO種類以上も地球上に存在する元素の中で、主要元素である酸素(O)・炭素(C)・水素(H)・窒素(N)を除いたものがミネラルです。
今号から、私たちの身体にとって必須ミネラルと呼ばれている、栄養素として必要なミネラルの機能や摂取のポイントこついて解説していきます。

ミネラルとは?

ず、ミネラルについておさらいしておきましょう。ミネラルは体内で合成することができないため、私たちは食べ物や飲み物を通して取り入れています。植物は土に含まれるミネラルを吸収し、人間を含む動物はミネラルを含む植物や水〔ミネラルウォーター)から、ミネラルを取り込んでいます。
バランスよい食事でたくさん摂っているように思えても、蓄えられたミネラルは身体全体の構成の比率でみると、わずか4%です(表1)。
しかし、その4%の働きたるや、3大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の分解に必要な酵素の働きを助けるという重要な役割を担っています。さらに、体組織〔骨など)を構成するだけでなく、体調を整え免疫力や代謝にも深く関係する、微量ながらとても重要な栄養素なのです。

ただし、多量に蓄積すると代謝機能や生理機能を損なわせ健康障害を引き起こす有害なミネラルもあります。
鉛(Pb)・ヒ素(As)・水銀(Hg)・カドミウム(Cd)・アルミニウム(Al)・ベリリウム(Be)などは中毒症状を起こすこともあります。
水俣病やイタイイタイ病は、水銀やカドミウムが工場廃液として海や川に流され、それらを取り込んだ魚介類や農作物を食べることにより中毒症状を生じた公害病として知られています。

選ばれし16種類:必須ミネラル

さて、皆さんは、ミネラルといったらどんな元素を思い浮かべるでしょうか?
栄養療法の現場ではよく耳にする元素を含め、身体に必要な16種類のミネラルは必須ミネラル(表2)と呼ばれています。

体内に比較的多く存在し、1日あたりの必要所要量が100mg以上のミネラルは主要ミネラル、体内に存在する量そのものが少なく、1日あたりの必要所要量が100mg以下のミネラルは微量ミネラルといいます。
これら必須ミネラルのうち、13種類(表2赤字)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」により摂取基準量が示され、健康の維持・増進、生活習慣病予防の目安となっています。
Caが不足すると骨がもろくなる可能性があり、Feが不足すれば貧血を起こす可能性があります※。反対に摂りすぎると生活習慣病のリスクが111上がるものとしては、Naが知られています。
※CaやPはビタミンDを、FeはビタミンCを摂ると吸収が高まります。

私たちが健やかに毎日を過ごすためには、栄養をバランスよく摂ることも大切な要素です。次号からは、各ミネラルの特徴や摂取のポイントについ述べたいと思います。
参考:ミネラルの教科書 http://mnritext.jp/a01towa.html
          農林水産省  http://www.maff.go.jp/j/fs/diet/nutrition/mineral.html#absorb


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