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ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL " 理解なき支援が「溝」を生む" Vol.04_その3

その他投稿日時-(2019-02-20)ナースの星編集部

疾患により異なる「食べられない(食べない)」理由

訪問看護師の訪問先では、様々な理由で低栄養や摂食嚥下障害を呈している利用者がいる。
前述の「栄養ケア」に関する実態調査から、がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、認知症患者の「食べられない(食べない)理由と「具体的なケア方法」を紹介する(図5:回答は複数回答のため合計は100%より多い)。
がん患者に味覚障害が生じると、「食べたくない」が起こりやすく、著しくQOLを損ねる。
食事で味を楽しめず、食べられずに低栄養や免疫力低下を脱することができなくなる。

ゼリーやジュースなど冷たいものは、のど越しが好まれ、再びフルーツなどを食べるきっかけになることもある。またCOPDでは呼吸機能の低下により息切れしやすく、食べることで疲れる、という症状が現れ、「食べたくない」が生じる。
そこで、二酸化炭素を体内にため込まない食事の工夫と、疲れずに食べる工夫が必要だ。

 食べ初めに高カロリーのものや好きなものを食べる、食前に休息を十分にとる、テーブルの高さを調節し疲れにくい姿勢で食べるなど、環境への工夫が必要となる(図6)。

想像することが栄養管理の本質

多職種協働チームである栄養サポートチームが立ち上がると、業務の手順をみんなで相談します。主な栄養素の必要量を算出し、患者さんの摂取量と照らし合わせて、満たされているか、バランスを保っているかを検討し始めます。
しかし、目標となる栄養必要量は、身長、体重、性別、年齢で定められ、みな同じという訳ではないので、時々、困惑してしまうのです。
疾患によって代謝状態が大きく変化している人もいるので、健常人の基準に当てはめる方がむしろアンバランスや過剰になる危険性があるのです。

数字合わせに終始しないのが本来の業務なので、「もともと小食ですから」「今は食べたくないので」というとき、その人にとって、健康であった時にはどのような代謝を営んでいたのかということを想像する必要が出てきます。
これは至難の業ですが、栄養管理の本質はここにあるかもしれません。

鷲澤尚宏
(わしざわ・なおひろ)

 医学博士。東邦大学医学部臨床支援室教授。同医療センター大森病院栄養治療センター部長。
消化器外科、栄養治療という専門分野を通して、日本における栄養サポートチーム(NST)の普及に初期より尽力。地域の医療・介護スタッフからも頼られる存在。

続きはその4
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ニュートリション・ジャーナル
理解なき支援が「溝」を生むVol.04
その1『高齢になるほど食事が大切』
その2『気づきのポイント』
その3『鷲澤尚宏先生に聞く』
その4『栄養療法の底力』


「ニュートリションジャーナル」バックナンバー

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