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Topic みやぎ版コ・メディカルニーズマッチング支援事業「小児患者用クーリングベスト」

投稿日:2019.06.03

医療機関の「こんなものがあったらいいな」のニーズを収集し、地元企業とのマッチングに基づいて開発・製品化につなげる、みやぎ版コ・メディカルニーズマッチング支援事業。

本事業によって、宮城県立こども病院のナースのニーズが製品化されました。
解熱に効果的な背中と脇をしっかり冷却できる、小児患者用クーリングベスト開発の背景・経緯について、同院をお訪ねしてお話を伺いしました
〔企画協力:株式会社シバタインテック)

県の支援事業でナースのアイデアを製品化

「宮城県が推進している地元企業によるモノづくりにおいて、医療分野では薬事法をはじめ様々なハ一ドルがあり、企業は参入方法がわからないという問題を抱えていました。
一方、地元の病院は様々なニーズを持っていたので、平成25年度より宮城県(新産業振興課、産業技術総合センター)が間に入って、手始めに県立病院とのマッチングを支援することになったのです」と新産業振興課の樋口さん。
同院ではこのマッチングによって、「みやちるノート」という入院患児・家族向け記録ノートを地元の印刷会社に制作依頼し、院内で無料配布している実績があります

熱があっても眠っていても、子どもは動く

動きの激しい子どものクーリングの際、効果的な位置に保冷剤を固定できるポケット付きベストを、パジャマや服の上から着せてはどうかと考えたナースのアイデアは、小児患者用クーリングベストとして製品化されました。
素材、保冷剤の交換のしやすさなどにこだわって地元の縫製加工業者と試作を重ね、4作目にして完成品に至ったそうです。
さらに同院アレルギー科・科長の三浦克志先生は、
「アトピー性皮膚炎は体温上昇によりかゆみを伴うため、日中を快適に過ごし、夜は心地よい眠りを守るクーリングベストにより、治療効果が改善するのではないでしょうか。
まず入院患児に使用し、その効果を確認したいと思います。突発的な馨麻疹や夏場の熱中症対策にも活用できそうですね」
と期待を寄せています

横のつながりも視野に入れて

本支援事業を通して、病院側からは「他の病院とも情報共有していきたい」(吉本看護師長)、
「ニーズを明確にして専門家に相談すると、とても良いものができる。外部に働きかけることも大切」(横内看護師長)
という意見が上がりました。
県としては、「医療販社との提携も視野に入れ、販売網の拡大や新製品の開発もバックアップしていきたい」(樋口氏)とのこと。
今後、「こんな製品がほしい」「うちではこんな工夫をしています」「これは弊社にお任せを」「販売はわたしたちが」という情報が飛び交うであろう宮城県の動きを、注目していきたいと思います。
(2018年8月23日取材)

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