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達人に訊く!緩和ケアにおける服薬管理 ここがポイント!

その他投稿日時-(2019-06-26)ナースマガジン

病状や病期にかかわらず、薬は症状を緩和するためのもの。その意味でも、服薬管理は緩和ケアにおいてとても重要です。

今号では、訪問服薬指導も行っている薬の達人に、緩和ケアにおける服薬管理のポイントをお訊きしました。

処方された薬は正しく使用されてこそ効果を発揮します。その視点を軸に、個々の患者に適した薬物療法支援を行います。
実際に患者宅を訪問することで見えてくることや相談される内容をチームにて共有し、薬物療法に関するコーディネートを行っています。

退院支援の段階から在宅緩和ケアチームの一員として関わる際は、自宅での生活を見越した、薬や医療機器のセッテイングを考えます。
連携職種ともよく相談し、薬剤選択や投与経路など、情報を共有しながらサポートしています。患者宅の訪問時には、薬に対する嗜好(飲み薬が良いのか座薬が良いのか、飲みやすい剤形は?など)を必ず確認します。これを把握せずに処方すると、必要な時に使えず、期待した効果が得られない場合があるからです。
処方後は、本当にその剤形で服薬できているか、決められた用法(飲む時間・回数)に無理が無いか確認し、薬効の評価に繋げています。特にがん患者さんにおいては、トータルペインの視点から痛みの原因を考えると、薬物療法の評価の幅が拡がります。その価値観をもとに連携職種間で議論すると、より包括的な支援につながります。

当院では患者さんの病状が進むと、院内で準備する注射薬の使用頻度が増えます。よって、院外処方箋の発行頻度は下がり、それまで関わっていた保険薬局の薬剤師さんの出番が少なくなりがちです。
私自身は診療所薬剤師ですので、保険薬局の薬剤師さんがここまで築いた関係性を失うことが無いように、私たちから患者さんの情報提供をし、かかわりが続くよう配慮しています。そうすることで、その方の在宅療養支援が終了したときにも「地域の薬剤師の存在感」をチームとして感じてもらえるのではないかと期待しています。
薬剤師も、地域に必要とされる土壌を作ることで、質の高い地域医療に貢献できると考えています。緩和ケアでよく使われる薬については、医療用麻薬や適応外使用の薬剤など、説明にひと工夫必要な薬も少なくありません。どのような効果を期待し、どんな副作用に注意すべきか、ぜひ薬剤師に聞いてみてください。
在宅医療でのチームに薬剤師がいない場合は、患者さんのかかりつけの薬剤師や、訪問看護ステーション近くの薬局の薬剤師にぜひお声かけ頂き、新しい連携が築けると良いですね。

「麻薬」という言葉に対して、違法ドラッグの麻薬と混同して抵抗感を持たれている場合もあるので、まず本人と周囲の認識を明確にしましょう。
何に対して疑問や不安を感じているのかをアセスメントし、正しい知識を持ってもらうことが大切です。

まずは、患者さんやその家族の「麻薬」に対する印象や認識などを十分に聞きましよう。どんなにわかりやすい説明も、想いが語られた後でないと理解されないことをしばしば経験します。
対話の中で語られる医療用麻薬への誤解には、それを解くための根拠となる論文がありますから、それをもとにお話しています。
その際、こちらから伝えたい情報をすべて伝えてしまうと本人や周りに逆に悪影響が出てしまうこともあります。その人に必要な情報を選択して伝えられるとよいでしよう。

それでも患者さんの中には、「麻薬」なんて使いたくないという方が少なからずいます。そんなとき、当院ではその思いを尊重し、処方はしますが、使用は「一旦保留」の選択をすることがあります。薬の処方は使用を前提としている入院とは異なり、処方済みの医療用麻薬は患者宅に保管することができます。
保留中にも、いつでも使える準備があることや、麻薬への考えや誤解を解くアプローチを継続します。痛みやつらさがわかるのは本人だけですので、患者さんの気持ちが「そろそろ使ってみよう」と変わるときに、すぐに使えます。
はじめは「麻薬」に抵抗感を持っていた患者・家族も、一度効果的に使えるとその後は抵抗感が薄れていくようです。こうした個別性の高い対応が可能なのも在宅医療の良さではないかと考えています。

認知症状のレベル、生活環境、援助者の有無などを確認し、その方ができることは何かを考えます。

飲み忘れが多く残薬を発見した時は、どうやって飲み忘れを防ぐかも大切ですが、まず、それが本当に必要な薬なのかを検討してみましよう。
服薬していなくても日常生活に問題がないのであれば、不要な薬かもしれません。
必要な薬は、服薬回数の少ないものに変更できないかを検討し、訪問スタッフが管理できるようにするのも一案です。両者の同意がとれれば、昔なじみの近所の方やお友達に服薬の確認に来ていただくのも良いかもしれません。

軽度の認知症の方で薬の服用を習慣化したい場合は、薬を飲んだらカレンダーに印をつけたりシールを貼ったり、1回ごとの薬の仕分けを本人にやって頂く薬への意識付けが有効な場合もあります。
こうした作業を訪問リハビリスタツフの訪問時間に合わせて行い、リハビリテーションと服薬管理の協働も服薬状況改善の手段の一つです。

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