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褥瘡は、治療よりも予防 第2回

褥瘡は、治療よりも予防。 第2回

早速、大浦武彦先生にご連絡したところ、褥瘡リスクアセスメント(大浦スケール)を導入できる病院を探していたとおっしゃられ、早速すべての資料を開示してくださった。


ブレーデンスケールを行っていた看護師からは、歓迎する声も聞かれたが、全入院患者に対して新しい仕事が増えるので、不満の声も多かった。


しかし、直前にでた論文で、愛知県の病院における褥瘡有病率が平均で2.56%となっており、当院の4~6%の半分程度と判明した。


おりしも、病院を上げ、選ばれる病院となるために新しい改善提案募集のキャンペーンを行っており、褥瘡予防対策プロジェクトは、せめて、平均よりも有病率を低下すべきであると言う目標を掲げて、院内で支持を得ることができた。 


次に、全入院患者の褥瘡予防を実現するために、入院時に短時間で褥瘡リスクを判定し、リスクに応じたマットレスを病棟が準備できるようにシステムを構築する必要があった。


まずは、褥瘡が出来ている入院患者に大浦スケールを適応した。


現在大浦スケールは、大浦のO 堀田のHを取ったものだが、大浦スケールの場合危険要因1番目が、自力体位変換能力ではなくて、意識状態になっていた。(2番目の病的骨突出、3番目の浮腫、4番目の関節拘縮は、OHスケールになっても変わっていない。)


ちょうどその時、脊髄損傷の患者様が入院して来て、意識状態、骨突出、浮腫、関節拘縮すべてが、問題なく、褥瘡リスクが、まったくないと誤って判定されてしまうことが判明した。


早速大浦先生と相談したところ、660名の高齢者のケースコントロールスタディーで、意識状態の低下と自力体位変換能力がほぼ同じ危険因子として浮かんできたので、どちらかを選ぶときに、意識状態としたことが判明した。


褥瘡リスクの本質は、自力で体位変換できるかの能力であり、意識状態だけで判断することはできないことは、意識が良い脊髄損傷患者で明白あり。


大浦スケールの1項目目、意識状態がOHスケールでは、自力体位変換能力に修正されることとなった。 そこで、すべての看護職、補助看護職、理学療法士、管理栄養士、臨床検査技師、医師へOHスケールの判定法とマットレス選び、期待される効果を伝えた。 


特に看護師への講演会は、ベッド上で、頭側拳上時にずれ力が発生すること、創傷被覆材の使い方の実習も含まれている。アンケートでは、OHスケールの4項目、自力体位変換能力、病的骨突出、浮腫、関節拘縮に関して、それぞれ、A.判定しやすい。B.どちらでもない。C.判定しにくい。


として回答を得たが、判定やすいと判定しにくいが、80%を超えたことを確認して、導入することとした。その時に、病的骨突出が、判定しにくいとの回答が多かったため、判定を簡単にする定規を作成した。


現在 OKメジャーとして、販売中だが、仙骨骨突出部に軽く当てるだけで、慣れてこれば、1秒あれば、判定できる。すぐれものである。 続く

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