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達人に訊く!

達人に訊く!特集/急性期のフィジカルアセスメント

投稿日:2019.09.14

意外と知らない?今更聞けない?そうだったの?
集中治療室でも行っているフィジカルアセスメントのポイントを、クリティカルケア管理の達人にお訊きしました。

SpO₂ 100%は 実は安全ではありません。

この理由には2つあります。ひとつは、SpO₂ 100%は酸素化のモニタリングとしては不適切であるということです。
酸素解離曲線から考えると、PaO₂が80mmHgから60mmHgに低下(20mmHgの低下)すると、SpO₂は90%前後から85%前後まで低下して緊急対応が必要となります。

極端な話、PaO₂が500mmHgの人は100mmHgまで下がっても、SpO₂は100%のままになります。つまり、高いSpO₂では、その人のPaO₂が500mmHgなのか、100mmHgなのかはわからないのです。そうすると、酸素化能が低下していることに気が付かない、ということになります。

よって、SpO₂を高いままで管理していると敏感なモニターでなくなる、ということを意味しています。
もうひとつは、高いSpO₂と予後の関連です。私達はついついいSpO₂が高めだと安心してしまいがちですが、最近は、高いSpO₂ーすなわち高酸素血症と予後の悪化は関連していると言われています。これは高いSpO₂で管理されていた患者の予後は悪い、ということです。

なぜ予後が悪くなるかというと、活性酸素が増加したり複雑なメカニズムがあるようです。
よって、SpO₂ 90~93%程度も容認されることが一般的になりつつあります。
ただ、これは持続的に、厳密にモニタリングできる環境での話ですので、そのような環境でない場合、例えば在宅等ではもう少し安全域が必要になるでしよう。
また、呼吸を観察する場合酸素化のみでなく、換気がどの程度できているかも観察する必要があります。

客観的には、呼吸補助筋がどの程度使われているかを観察することが重要です。呼吸補助筋としては、胸鎖乳突筋が比較的見やすいので観察するとよいでしょう。

痛みを客観的に評価し、それをケアに活用することはとても大切です。

痛みは主観的なものなので、本人の訴えを聞くことができれば一番なのですが、それができない場合はどうしたらよいでしょうか。
特に挿管していたり、鎮静が行われていたりすると、痛みを自分で訴えることができません。
このような場合の痛みのスケールとしてはB S P とC P O T 、2つのスケールが有名です。
この2つは併用するものではなく、どちらかを使用すれば十分です。
参考文献:
人工呼吸中の鎮静ガイドライン作成委員会開催記録より
http://square.umin.ac.jp/jrcm/contents/guide/page03.html

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