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ナースマガジン×KIRIN WOCN座談会「褥瘡・創傷患者の栄養管理」

褥瘡ケア投稿日時-(2019-12-26)ナースマガジン

   〜WOCナースの関わり現状とオルニチンを用いた栄養療法〜

褥瘡や創傷と栄養状態は密接な関係にあり、特定の栄養素には治癒を促進する働きがあることがわかっています。
今回は皮膚・排泄ケア認定看護師の方にお集まりいただき、褥瘡や創傷患者への栄養管理の関わり方、特定の栄養素の活用状況などについて語っていただきました。

院内組織における
WOCナースの立場と役割


渡辺 まずお伺いしたいのですが、皆様は組織の中でどの程度栄養管理に携わっていますか?

小岩井 当院では、褥瘡で介入する患者さんには、NST・褥瘡合同回診を実施しているため、医師や管理栄養士とも話ができるようにしています。
また、NSTの議事録も共有できるようにしています。

齋藤 当院では合同で回診することはありませんが、心配事があるときは事前相談しておくと、NST回診での評価を経て、患者さんのお食事に創傷治癒に特化した栄養剤をプラスする、などの対応をしてくれます。

渡辺 栄養士さんが橋渡しをしてくれているわけですね。

水島 当院の場合、15年以上前は2~3人のWOCナース、薬剤師、管理栄養士で細々と褥瘡回診をしていましたが、現在は、スキンケアラウンド(褥瘡回診)とNSTラウンドの双方に医師も参加し、10人近いメンバーがラウンドするという進化を遂げているという印象です

立石 当院では栄養士はNSTと褥瘡対策チームに一人ずつ担当がいますが、回診日も重なっているのに別行動という感じです。橋渡しをする人もいなくて、気になる創がある患者さんについては栄養士に直接聞いて、情報をもらっているのが現状です。

小岩井 皮膚科医、内科医、薬剤師、検査技師、WOC、管理栄養士が常に交流しており、必要に応じて管理栄養士と共に患者さんに「どんなものが食べたいですか?」と聞いています。そこで補助食品なども提案して担当医に報告して完結しています。

渡辺 診療報酬の側面もあるのでチームは独立していると思いますが、一緒に回ればメリットもありますし、重複して所属しているメンバーがいると話が通じやすいですよね。私もNSTと褥瘡委員会の両方に所属していて、何かあったとき委員会にも出ますし、NST回診にも入ります。院内でうまく連携していくということかとおもいます。みなさんのところでは、特に困難事例などはありますか?

立石 多発褥瘡の人かも院内に多くいます。

小岩井 摂食障害による低栄養やせ症の患者さんんで特にBMIが11〜13と極端に低い人には、リフィーディング症候群に注意しながら対応しています

水島 私は化学療法センターにも関わっていて、外来の患者さんでは口内炎ができて食事がつらいという人も多いです。

齋藤 在宅訪問の場合、自宅で過ごす際の注意点などの伝え方が難しいなと実感しています。

WOCナースは栄養管理に
どう関わっていくべきか

渡辺 自分たちが関わっている患者さんんの栄養について、WOCナースとしてどのくらい介入し、アドバイスを行っていますか?
例えば当院では回診時に記録上アルブミン値などは見ますが、全部チェックしているとは言えません。ただ創が治りにくい方にはスタッフに確認したり医師に相談したりして、補助食品や栄養剤の追加・変更を検討してもらうという流れでやっています。みなさんのところは?

小岩井 当院の管理栄養士は事前に記録を読んでいて、私が褥瘡回診の後に伝えると「あ、わかっています」という感じで、すでに補助食品が始めていることもあります。
また栄養評価一覧表を出すと、低栄養の人・重症の人が一目でわかるので対応が早く、私は提案するとかいうより確認作業になることが多いです。把握可能な患者数ということもあるかもしれませんが、常にデータを見ています。またNST回診が週3回あり、歯科医師と一緒に回って摂食嚥下の確認する日もあります。

立石 私は管理栄養士に直接というより、主治医の先生に相談することが多いです。特に下痢をしているときは、「栄養剤を変えてみませんか」とか「凝固剤を使ってみませんか」といった提案もします。下痢の状態などは言葉でなかなか伝わりにくいので、ケア中に回診に来てくれたときはチャンスだと思って、排泄物を見てもらいます。そうすると、すぐに検討してもらえますね。特に悩むのは術後の合併症で食止めになった患者さんが、なかなかCVポートに至らず、長期間にわたって末梢静脈栄養で低カロリーしか入らずに褥瘡ができたときです。

水島 当院では入退院センターに栄養士が常駐していて、まず入院時にスクリーニングを行っています。栄養管理計画書を看護師が評価すると、それを栄養士がさらに追及してくる感じなので、やはり気づいたら補助食品が提供されているといったことは多いです。また、複数科の医師が週3回程度交代でNSTの回診に同行しているので、立石さんが悩まれている末梢静脈栄養の問題はあまりないと思います。

渡辺 がんの患者さんも低栄養の問題があるのではないですか?

水島 緩和ケアチームラウンドでは患者さんんの希望を聞いて、抗がん剤などで十分な量が食べられない人のために栄養士がセットメニューを提案したり、工夫してアレンジしたりしています。手間がかかっても対応可能かどうかはチームで相談し、患者さんのための食事を提言 しています。

渡辺 当院でもがん化学療法看護認定看護師が周術期外来を立ち上げて、手術や治療を受ける前から化学療法中など長期に渡って栄養管理に関わってくれています。がんの患者さんは創もあったりしますので、一緒に診て意見交換をしています。
在宅に戻られる患者さんへの栄養の介入はどうですか?

齋藤 消化器外科手術をされた方は、腸閉塞の予防法などを説明されて帰りますが退院後訪問に伺うと痩せられていて、「何を食べればいいかわからなくて」とおっしゃる方がいます。従来は院内のWOCナースが率先して関わることは少なかったたのですが、訪問を始めてからは食事についての相談にのり、栄養に関する冊子などを見せながらお話しすることが増えました。

渡辺 それは退院前の指導が患者さんの生活に反映されるように伝わってないということでしょうか?

齋藤 確認したところ、栄養士は食事の内容や食べ方の工夫など細かく話してくれていますが、腸閉塞の危険性の説明をされると不安になってしまう方もいるので、自宅で「これだったなら大丈夫ですよ」などとその場で説明する必要があるのかなと思っています。

渡辺 食事は生活そのものですから、在宅で見えてくるものはたくさんありますよね。

実際の臨床現場でのオルニチン
の活用状況


渡辺 褥瘡や創傷のある患者さんには、カロリーや栄養バランスを考慮するのはもちろんですが、改善効果が期待できる補助食品や栄養剤などを活用されていますか?

齋藤 必要カロリー量の栄養剤に加えて、胃瘻や腸瘻を使うときはオルニチン含有食品を使用しています。経口摂取が始まる段階で嚥下の状況を確認して、大丈夫なら飲み込みの練習を兼ねてゼリータイプの食事にも追加しています。

渡辺 経管の時期からオルニチン含有食品を使用しているのですか?

齋藤 そうですね。NSTのアセスメントで、オルニチンとビタミンCが褥瘡の治癒に効果が期待できるので推奨するとのことでした。

渡辺 なるほど。栄養素の中でもオルニチンの知名度はまだ高くなく、褥瘡や創傷を保有している患者さんへの栄養補助として認識されているのはアルギニンかと思いますが。

小岩井 当院でも圧倒的にアルギニン含有食品の使用が多いですね。摂食障害の患者さんは褥瘡ができると1カ月以上治らないので、発生しないようにすることを前提として予防的に使うのが私の考えなのですが、試しにオルニチン含有食品を使ったところ、2週間経っても褥瘡が発生しませんでした。これにはリンクナースも驚いていました。粉末タイプのものであれば、飲水量の調整もしやすいですしね。

渡辺 予防、という視点もありますね。水分量が調整できるのはいいですよね

立石 当院でもアルギンニン含有食品は採用していますが、味は少し濃い気がします。

渡辺 実際の症例をご紹介いただけますか。

齋藤 はい。脳梗塞で倒れて意識をなくし、背部に褥瘡ができてしまい、かなり重症の方でした。最初は極度の低栄養でしたが、徐々に経口摂取ができるようになりました。入院して9日目に栄養状態を見て、経管栄養にオルニチン含有食品を加えてみようということになり、1日の目安量を摂取してもらいました。
入院して3週目くらいから経口で食べられるようになってきて、その数日後から週2回デブリードマンを行いました。黄色い肉芽が表面を覆っている状態でなるべく薄くそぐように行ったところ、肉芽が盛り上がってきて治る経過が早くなりました。
治癒状態に近づいてきたところ、7週目に転院されましたが、栄養状態を整える前段階があったうえでこまめなデブリードマンを行ったことで、総合的に良い結果が得られたと思います

渡辺 詳細なご説明ありがとうございます。良い症例でしたね。

立石 入院直後から経管でも経口でも使うことができるのですね。短期間でも術前から使うという発想はありませんでした。

水島 予防的に使えるのはいいと思います。食べられなくなったときに捕食として使いやすいですし、がん患者さんなど、嗜好が変わっていく中で少しでも経口摂取を続けていただければ。自宅で自己管理できる患者さんにも使ってほしいですし、ターミナルケアでかも使えたならと思います。

齋藤 症例を経験して、創傷治癒がなかなか進まない人の状態を少しでもよくするために、追加するものとして提案しやすいと思いました。

渡辺 粉末タイプのものであれば嚥下食やとろみ剤に混ぜて使ったりできますね。最後に一言ずつお願いします。

水島 患者さんの栄養食として、オルニチンやオルニチン含有食品を、栄養士や緩和ケアの先生にも情報共有できればと思います。

立石 多発褥瘡の患者さんなどから試してみて、評価していけたらと思います。

小岩井 予防的に使用できる例を経験したので、管理栄養士と相談して多くの患者に使ってみたいです。

齋藤 オルニチンの特徴を踏まえながら意識して使いたいです。

渡辺 どうもありがとうございました。

司会より

本日は各先生方の活動についてる「生の声」を直接お伺いでき、大変有意義な座談会となりました。特に国府台病院では院内の複数の組織がうまく連携できているという印象を持ちました。
各病院や施設において組織上難しいこともあるかもしれませんが、WOCナースとして栄養管理から関わっていくことが大切であると、改めておもいました。
また、組織の枠を超えての症例検討では多角的な討議をおこなうことができました。
今後も経験した症例を学会などを通じて発表し、情報を共有していくことが、我々の学び、また、患者様のためにもにも大切だと感じました。

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