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認定看護師さんインタビュー企画~山口円さん(手術看護認定看護師)~

その他投稿日時-(2011-12-13)ナースの星編集部

認定看護師インタビューリレー、今回は、
大阪赤十字病院でご活躍されている山口 円さんにお話を伺いました。

■認定看護師になられたきっかけを教えてください

看護師になって4~5年目のときに、自分が将来、看護師としてどういった方向に進んでいくべきか、悩んでいた時期がありました。

もともと僕は病棟勤務が希望だったのですが、病院の事情もあって手術室への勤務になり、そこで自分なりに頑張ってきました。与えられた役割は全うしたいと思いましたし、3~4年はキャリアを積まないと一人前とは言えないと周囲からも言われました。一定のところまで頑張らないと、やりがいや責任なども理解できないとも思いましたから。

そして、3~4年間を手術室担当として過ごして、ある程度のスキルやポジションを確立できたという思いが持てるようになりました。そうした中で、やはり当初の希望だった病棟勤務を経験したい思いと、手術室でスペシャリストの領域をさらに追求していきたいという二つの選択肢で揺れることになったのです。

そんな時に師長から聞いたのが、「手術看護認定の教育センターが東京にできた」というお話でした。師長は手術室40年の大ベテランの方で、田舎から出てきた僕にとっては、職場での母親のような存在で、尊敬する大先輩でもありました。その師長から、「今後は認定看護師の活躍の場は広がる。今まで培ったスキルを伸ばして、認定看護師を目指してみてはどうか」という後押しをもらったのです。

そうした話を聞いて、スペシャリストとしてのキャリアアップを図っていこうという気持ちに固まり、認定看護師を目指すことに決めたのです。

僕は、認定看護師が誕生した背景には、その道のスペシャリストに看てもらいたいという患者様の想い、世間のニーズがベースにあると考えています。だからこそ、自分がスペシャリストとしての知識と技術を習得して、そうした患者様の想いに応えていきたいと思ったのです。

■受験に際してはどんな準備をしましたか。

非常に言いにくのですが、実はほとんど勉強していなかったんですよ。もちろん、全くしなかったというわけではないのですが、始めたのは受験の二か月前になってからでした。その分、短期集中で詰め込む勉強になりましたが、自分にとってはそれがかえってよかったのかもしれませんね。

■どのような方法で勉強をされていましたか。

僕は、「オペナーシング」という雑誌の切り抜きで勉強していましたね。試験会場で周りの受験生がちゃんとした医学書を使って勉強をしていたのを見て、「これは絶対に受からん!」と思いました。でも何とか合格する事が出来たのは、もしかしたら面接ポイントが高かったのかな、とは自分なりに思います。看護に対して「熱い想い」を持っていたので、面接ではそうした想いを素直にぶつけました。

それと、論文は自分なりに頑張りました。やはり、受験用の付け焼刃的な勉強ということではなく、たとえば、一冊の本をしっかりと読み込む習慣を身に付けたり、日々の看護を根拠をもって行うことで自分自身の学びの機会に結びつける意識が必要かなと思います。

医療には「エビデンス」という言葉がありますが、やっている事には必ず意味があって根拠がありますので、そうした意識を常にもって看護をするのが大事だし、受験勉強にも繋がると思いますね。

手術室で学ぶことは、必然的に業務的な部分が大きいといえます。より多くの手術を経験することでスキルも蓄積されます。その一方で、どうしてもアセスメントなどの看護展開が弱い部分があるかもしれません。しかし、そこは実践に至ったアセスメントを自分の経験値として少しずつでも積み重ねていくことが大事ですし、その蓄積が次につながり、自身の学びの機会にもなっていきます。看護実践を経験値としてしっかりと積み重ねていくことが大事だと思います。

■熱い想いとはどのようなものだったのでしょうか。

僕が看護師になった時は、周りには男性看護師がほとんどいませんでした。だから、男性としてのパイオニアになりたいという想いがありました。

男性看護師として、自分で何か築いていけるものを探していきたいと思いましたし、認定看護師になれば、特に他の男性看護師の目標にもなれるとも思いました。男性看護師が活躍できる道を自分が作っていきたいとう想いが強くあったのです。

■認定看護師になって取り組まれていること、変化したことなどはありますか。

取得後に感じるのは、発言力や情報の発信力が大きなものになってきたという部分です。もちろん、それだけ責任も伴うのですが、スペシャリストとしていっそうの信頼をいただくようになった分、発言の機会も増えてきたように思います。

そして、いま主に取り組んでいることは院内の研修会の充実です。手術室はどちらかというと閉鎖的な職場ですが、その中で様々な取り組みをしているということを、よりオープンにしていきたいと考えています。

近年は病棟とオペ室が一体となった周手術期という考え方が一般的になってきており、もっと手術看護のクオリティの底上げをしていかなければいけません。新しい事をどんどん導入して活性化していくためには、知識や情報の質の底上げが大事だといえます。その意味でも、雑誌社からの講演依頼や執筆などのお話をたくさん頂いていることも自己研鑽につながりますし、活動が院外へと広がっていくことで、成長できる機会が増えているようにも感じています。

■認定看護師になってから、苦労したことはありますか。

最初は苦労だらけでした。私が取得した当時は、「認定」という存在自体がほとんど認知されていなかったのです。「手術看護」認定看護師としての自分を理解してもらうのにすごく苦労しました。知ってもらうための壁やハードルが、当初は相当に高かったですね。 取得後、5年が経過して、ようやく周囲からも認知してもらえるようになったかな、と実感しています。

■壁を乗り越えるためにどのような事をされたのでしょうか。

やはり、実績を残していくことだと思います。何か目に見える形にしていかないと、理解は得にくいと感じました。

形として提供した一つが、研修です。良い研修を実施すれば必ず口コミで情報は広がっていって、参加者は確実に増えていきます。それが、回数を重ねることで実績となっていくわけです。そうなると、認定看護師という資格を取得していることも自然と周知がされていくと思います。

何事もそうですけど、積み重ねが大事。たぶんどの分野でも変わらないと思いますが、何事もすぐにはうまくいきません。少しずつ、丁寧に実績を積み上げていくことだと思います。

■いま、認定看護師として心がけていることはありますか。

一番は、常に相手の立場になって考える、ということです。何かを変えようと思う時など、自分の思いだけでなく、しっかりと相手の意見も聞き、きちんと折り合いをつける中で実施していくことが大事です。もちろん、患者様との間でも同じことです。

また、認定看護師として他のスタッフを指導する場面は多くありますが、たとえば怒ってばかりではなにも伝わりませんし、そこには次につながるものが何も残りません。相手の気持ちを汲みながら、指導をしていくことを心がけたいと思っています。

それと、自分自身がきちんと健康でいることも大切だと思っています。看護師は、自分が健康でなければ相手も健康にすることは出来ないと思っています。体も心も元気が一番。それを忘れないようにしたいと思います。

■現在、特に取り組まれている業務について教えてください。

術前と術後の管理ですね。手術前の心と身体の管理、そして術後の管理を安全・安楽にすることの管理です。術前であれば、患者様にしっかりと情報提供をして精神的に楽にして差し上げる。手術の内容などをわかりやすく教えてあげながら、漠然とした不安を取り除いてあげることも必要だと思います。

また合併症を起こさずに離床させるなど、重要な役割を担いながら医師と協同して患者をサポートしています。

■最後に、「ナースの星Q&A」の会員にメッセージをお願いいたします。

何よりも、患者様のために一番良いと思えることをしてほしいと思います。そのために、研修が必要だと思えば積極的に参加してほしいですし、勉強が必要であれば雑誌や書籍を活用してどんどん勉強してほしい。大事なのは患者さまにとって良い看護を提供することで、そうした日々の積み重ねによって、それが可能になっていくと思いますから。

特にオペは、患者さまにとっては人生の一大イベントだと思います。だからこそ患者様の立場に立って代弁者となってほしいと思います。すべては患者様のため。それを忘れることなく、みなさんも頑張ってもらえればと思います。

<山口さんがご活躍されている病院>

大阪赤十字病院
〒543-8555
大阪市天王寺区筆ヶ崎町5-30
TEL:06-6774-5111(代表)
FAX:06-6774-5131(代表)
>> http://www.osaka-med.jrc.or.jp/

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全国の病院で活躍されている認定看護師! 患者さまの役に立ちたい!看護師キャリアのひとつの形として! 資格取得の思いは人それぞれ。 ナースの星編集部ではそんな彼女、彼らに「認定看護師」という資格について突撃インタビューを実施!! 日本全国の認定看護師さんに資格取得の苦労話や認定看護師になられてからの変化について聴いてまわります。
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