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認定看護師さんインタビュー企画~猪崎陽子さん(摂食・嚥下障害看護認定看護師)~

摂食・嚥下障害者ケア投稿日時-(2011-12-28)ナースの星編集部

認定看護師インタビュー、今回は、横浜市立市民病院で 摂食・嚥下障害看護認定看護師として活躍されている、猪崎陽子さんにお話を伺いました。

■認定看護師を目指すことになった背景には何がありましたか。

認定看護師は2009年に取得しました。私は最初から認定看護師を目指していたわけではなかったんです。日頃の看護業務で嚥下に関わる患者さんを見ているうちに、いろいろ勉強したい、分からないことをそのままにしてはいけない、という気持ちが芽生えてきて、「この分野をつきつめたい」と思うようになりました。

関東圏内には摂食・嚥下についての認定看護師の教育施設がなかったのですが、できた段階で通いたいと当時の上司には相談していました。そして、「茨城に学校ができる」と教えていただいたんです。少し遠いかなとも思いましたが、チャンスだと思い受験を決めました。

院内での認定看護師受験希望者の募集の中に、嚥下の領域があったことも取得を目指す後押しになりましたね。タイミングが良かったと思います。

■受験の際に苦労したことはありますか。

受験の半年前くらいから勉強を始めましたが、やはり夜勤をしながらの勉強が一番大変でした。日勤の後だと疲れてそのまま眠ってしまったり、夜勤明けでも眠くて勉強がなかなか手につかなかったりと、つらかったですね。自宅だと眠くなるので、夜勤明けは家に帰らずに、スタバやドトールなどに直行して勉強する毎日でした。また、当時は「過去問」がなかったので、何を勉強すればよいのかを考えるのが大変でしたね。国家試験の問題を掘り起こしたり、他の研修施設の過去問などを探し出して使っていました。いざ合格した時は、久しぶりに学生時代の気持ちを味わいました。「あ~良かった」と肩の力が抜ける感じで。受験って、孤独な闘いだな…とあらためてその時に思いましたね。

■認定看護師のイメージについてはどのように捉えていましたか。

やはり、専門的な知識を持った看護師というイメージでしたね。その分野において、特化した知識やスキルを持っている人。自分もそうなれたらいいな、と思い、取得を目指すことにしましたから。

■学生時代の思い出はどんなことが印象に残っていますか。

入学後は、茨城にアパートを借りて、独り暮らしをしながら通学していましたが、20人いる同期のうち10人は同じアパートに住んでいました。ですから毎日はとても楽しかったです。皆でご飯を作り合ったり、一緒に勉強をしたりと助け合って生活をしていましたね。その時の仲間とは今でも繋がりがり、大切な友人として付き合っています。

学生時代を総括する意味では、全体的に苦しかったですね。勉強する内容が難しいというか、若い頃と違い、なかなか物事が覚えられない(笑)。だから、ひたすら反復で勉強していました。特に脳の仕組みや神経疾患の内容が難しく、そこを苦手にしていました。

嬉しかったのは、やはり皆で一緒に修了できたことです。修了試験に皆で合格できて喜び合えたことは、それまでの苦労も吹き飛ぶ思いでした。ただ、喜びに浸るのはそこまで。現場に戻ると、そこからは「もう後戻り出来ない」と覚悟を決めました。自分が学んだ知識をいかに現場に生かせるか、その真剣勝負の場だと認識し始めました。

■認定看護師を取得した後、勤務の変更などはありましたか?

週に1回、認定看護師としての活動日を頂きました。取得以前は、嚥下の勉強会やカンファレンスがある時などは、勤務は夜勤にしてもらうなど、自分の時間を使い、参加をしていました。しかし、今は嚥下に関わることは、業務として勤務時間内で活動させて頂いています。

そして看護臨床では、医師や言語療法士と一緒に、嚥下チームでの院内ラウンドを行っています。範囲としては院内全体で、STの方に嚥下に問題がある患者さんのリストアップをしてもらい、リストを元にラウンドを行っています。その中で食事に問題がある患者さんに対して集中的に診て回り、経過などを観察して、チームで対応など検討しています。

他には、NSTにも入り、院内の全スタッフを対象とした嚥下に関する勉強会を開催したり、患者総合相談室と連携し、地域のクリニックや病院・施設などにも広報して、勉強会を開催しています。また今年から院内での新人教育として、「基本的な食事介助」や「栄養に関する勉強会」も始めています。

■認定看護師になって、苦労していることはありますか。

ラウンドなどでその場にいるスタッフや勉強会に参加できた人には指導も含めていろいろと伝えることができますが、勤務時間の都合などで参加できなかったスタッフへの伝達や、皆に分かるように、一律に伝える事の難しさを感じています。

また、週1回のラウンドも十分ではないと感じています。やはり1日では、予防を含めた部分までは看ていけないのが現状で、問題がある患者さんに偏重した対応になってしまことがあります。そうしたシステムの改善に今後はもっと努めていきたいと思いますね。

■認定看護師として心がけていることがありましたら教えてください。

院内全体にコミュニケーションの輪を広げていけるように、対話を大切にしています。いかに相手の思っていることを聴けるか、また汲みとれるかが大事だと思っています。困っている事があれば、どんな小さなことでもいいので話してもらえるような雰囲気や関係を作っていきたいですね。

実際、「認定看護師にお願いをするのは、ちょっとハードルが高い」という話を他の病棟のスタッフに聞いたことがあります。どんな些細な事でも聞いてほしいと思っているので、自分自身そうした雰囲気を作っていけるように心がけたいと思っています。最近は、「ちょっと聞きたい事があるんです」という風に質問や相談を投げかけてくれるスタッフが増えたので、すごく嬉しく感じています。

■認定看護師としてのやりがいはどのような部分ですか。

認定を取得したから、ということではないのですが、やはり食事が出来なかった患者さんが、また自分の口から食べられるようになった瞬間を見るのは、最大の喜びであり、やりがいです。皆さん、すごく笑顔を見せてくれるんです。認定看護師になったことでいっそう、一人でも多くの患者さんにそうした喜びを与えてあげられるように頑張りたいですね。それが自分にとってのやりがいを得ることにもつながっていますから。

■最後に、認定看護師を目指している方に向けてのメッセージをお願いできますか。

勉強するということは、自分にとっての視野が広がるということです。それが、患者さんの全体像が見えてくることにつながりますから、勉強はやはり大切なことだと思います。

私も嚥下という領域を学び、たくさんの患者さんが元気になっていく姿を見てきました。再び、自分の口から食事が出来た患者さんは、「本当に嬉しい」と心からの感謝をくださいます。自分のスキルアップによって、そんな患者さんの笑顔がたくさん見られることにつながる。それって最高にやりがいがあることだと思いますね。

<猪崎さんのご活躍されている病院>
横浜市立市民病院
〒240-8555 神奈川県横浜市保土ヶ谷区岡沢町56 TEL:045-331-1961
>> http://city.yokohama.jp/me/byouin/s-byouin/

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全国の病院で活躍されている認定看護師! 患者さまの役に立ちたい!看護師キャリアのひとつの形として! 資格取得の思いは人それぞれ。 ナースの星編集部ではそんな彼女、彼らに「認定看護師」という資格について突撃インタビューを実施!! 日本全国の認定看護師さんに資格取得の苦労話や認定看護師になられてからの変化について聴いてまわります。
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