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ケースレポートの書き方1 「ケースレポートの意義を確認しよう」

その他投稿日時-(2012-03-28)廣町 佐智子さん

ケースレポートの作成は、看護職員の研修の一環として、多くの病院で採用されています。「ケースレポートなら学生の頃にやったのに、なぜいまさら」と拒絶反応を示す人もいるかもしれません。看護師時代のわたしもそんな人の一人でした。

 そんなわたしが初めてケースレポートに意義を見出したのは、卒後5年目のことです。受け持ち患者さんが立て続けに亡くなり、わたしは看護に限界を感じて落ち込んでいました。そんなわたしを救ってくれたのがケースレポートだったのです。
レポートをまとめるにあたり、自分の看護を振り返ってみると、死を忌み嫌いながらもその思いにふたをして、必死になって看護する自分の姿が浮かび上がってきました。

そんな姿をレポートにまとめることは、とても苦痛を伴いました。
しかし、書き上がった時は、なんだかとってもスッキリしたのを覚えています。
まさにひと山越えたような感じで、「また明日からやれそうかな」という手ごたえすら感じました。

ケースレポートの作成は大変ですが、一生懸命に取り組めば、必ず成長の手ごたえを感じられます。経験年数によって、ケースレポートの課題と意義は変化するのですが、ここではその内容を以下に示してみました。

1 新人:「看護のエビデンスを確認する」

看護師になると、学生の頃とは違って多くの患者さんを同時に看護しなければなりません。 慣れないうちは、目先の仕事に忙殺されて一人の患者をじっくり看護することができません。

学生時代に学んだ看護診断もうまく使いこなせないのが現状です。
そこで「研修」という落ち着いた環境のもと、原点に戻って一事例の看護診断をしっかりまとめるのです。

すると、混沌としていた看護が、エビデンスというくっきりとした輪郭を持つようになり、整理された経験として自分のなかに蓄積されていくのです。

2 3~5年目:「看護観を確立する」

看護師を続けていると、「これでいい」と考えていた看護に限界あることに気づく時が来ます。 冒頭で紹介した、わたしの例がそうです。

この時に、うまくいかなかった理由を客観的に分析するためにケースレポートを書くことがあります。 分析を通して自分の傾向を知ることは、新たな看護観を確立するきっかけになるのです。

3 4,5年目以降:「研究の土台づくり」

看護師も経験を重ねてくると、それぞれ自分のテーマを持つようになります。 関連の雑誌や本を読むようになり、「患者さんにこんな看護をしてみたら効果があるのではないか」と意欲をもやすようになります。

 この頃は、新人のように事例を振り返ってレポートを書くのではなく、積極的に介入して効果をみるような研究的なケースレポートを書く時期にあたります。 事例研究は研究の基本であり、看護研究を行う初歩としてとても重要なプロセスです。

以上、経験に応じたケースレポートの課題とその意義について解説しました。 次回以降はいよいよ新人看護師の課題に沿ったケースレポートのまとめ方について、具体的に解説していきたいと思います。

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日本看護研究支援センター所長・主任研究指導者 株式会社医教 看護師国家試験対策委員 臨床看護師の研究指導を得意としています。研究初心者でも目標を学会発表や雑誌投稿レベルに設定し、面接指導やメール指導で論文の完成を支援しています。 また、看護基礎教育への関心も高く、看護学生の学習支援についても日々研究・実践を重ねています。
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