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専門家Q&A

皮膚保護剤について

ご質問

皮膚保護剤について質問です。

私の勤めている病棟では、ET・CGF・パーミロールをよく使用しますが、皮膚がどのような状態の時にこれらの皮膚保護剤を使い分けるのかが分かりません。

どうやって使い分けたらいいのか教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

専門家の見解

ここでいうET・CGFとは創傷被覆材の「デュオアクティブET@」「デュオアクティブCGF@」(コンバテック・ジャパン)のことですね。

これらは主に褥瘡など皮膚欠損創の治療に用いられる創傷被覆材のなかでも、ハイドロコロイドドレッシング材と呼ばれる種類のものです。

ハイドロコロイド成分が浸出液を吸収してゲル化し、創面を適度な湿潤環境に保ちながら治癒を促進する効果があり、創の深さによって保険適用が異なります。

例えば「デュオアクティブET」は真皮に至る創傷(NPUAPⅡ度相当の浅い創傷)に、「デュオアクティブCGF@」は皮下組織に至る創傷(NPUAPⅢ度相当のやや深い創傷)に使用した際、原則3週間を限度として保険適応となります。

そして「パーミロール」はポリウレタンフィルムドレッシング材で、水蒸気透過性があります。ただし浸出液は吸収せず、また保険の適応はありません。摩擦や排泄物の汚染などから皮膚を守るために、主に予防的に使われています。

この3種類を使い分ける場合、まず第1に「創の深さ」、次に「浸出液の量」で判断します。

皮下組織レベルの創にはCGF、真皮レベルの創にはET、が第一選択となります。

なおETは薄型のハイドロコロイド材なので、浸出液が少量の場合に向いており、CGFは中等量の浸出液までカバーできます。もしETを貼付した後、浸出液が1日ももたないうちに溶けて漏れてくるようなら、吸収力の高いCGFへの変更を考慮します。

パーミロールは、予防ケアや、浸出液の殆どない表皮剥離創などに使われたり、ガーゼやパッドの二次ドレッシングとして用いられます。

なおいずれのドレッシング材も感染創には使えません。

またこれらのドレッシング材は粘着性があるため、交換時には剥離刺激が発生します。特に、てーぷをはがすだけでも皮膚が向けてしまうような部位には慎重に対処しましょう。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
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