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専門家Q&A

高齢者施設での白癬対策

ご質問

認知症デイケアで、働いております。
白癬の利用者が多く、その対策についての質問です。

今は、白癬の利用者は、最後の入浴とし、
バスマットは白癬用で別のものを利用しています。
白癬用のマットは他とは別で洗濯しています。

白癬の利用者といっても、
施設担当の内科医による目視での診察で、抗真菌剤が処方されているだけで、
皮膚科にての確定診断ではありません。
他にも白癬と診断されていないだけで、白癬持ちの利用者は多いと思われ、
このやり方では、あまり意味がないように思うのですが。
多くの入浴利用者がいるので、
白癬の利用者を最後に回すというやり方は効率が悪く、
途中で入浴することもありますし、徹底できているわけではありません。

このようなやり方が白癬の感染予防として効果的なのでしょうか。

他の施設はどのような対策をなされているのでしょうか。

私も今まで病院勤務しか経験がなく、
今の施設での白癬の対応の仕方について疑問を感じましたので質問させていただきました。

専門家の見解

高齢者施設などでの白癬症対策で大切なのは、広げないこと、悪化させないことです。ただ、白癬菌は真菌、つまりカビの一種ですので、感染力は強い方ではありません。ですので、入浴は、感染していない人と特にわけてする必要はないと思います。ただし、入浴の一番最後にシャワーなどでしっかりかけ湯をすること、趾間は十分に拭き取りをすることが大切です。みかんさんもおっしゃっているように、バスマットやタオル類の共有をしないことはもちろんですし、靴を履く時は靴下を着用し必ず毎日履き替える、靴は同じものを続けてはかず、毎日違うものを履くといった配慮も必要です。また、足の清潔に関して言えば、入浴できなくても、毎日足浴を行い、その場合も最後は必ずきれいな湯やシャワーでかけ湯を行います。
診断については、類似疾患の可能性も否定できないので、できれば目視ではなく、きちんと鏡検をしていただくように医師に依頼をしたほうがいいでしょう。白癬菌の検査や診断は、皮膚科医でなくてもどの医師でもできます。方法も簡便で、時間もさほど要しませんので、ぜひしてから、薬の処方をするように依頼をしましょう。
また普段から、皮膚の健康が保てるようにスキンケアをしましょう。保湿は、皮膚のバリア機能を維持するために大切なケアです。入浴後等に保湿に努めることが予防ケアへの第一歩です。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
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