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専門家Q&A

パーミロールについて

ご質問

褥瘡予防にパーミロールを使用することがありますが、ずれによってよれてしまい、すぐにはがれてしまう場合があります。
このような場合にもパーミロールを貼付する意味があるでしょうか?
ご意見いただけましたら幸いです。

専門家の見解

パーミロールはポリウレタンフィルムドレッシング材(以下、フィルム材と略します)のひとつですね。日本褥瘡学会のガイドラインでは、圧迫や摩擦を受けやすい皮膚の保護として、このようなフィルム材を用いても良い、とされています。防水作用もありますから、仙骨部や尾骨部に貼ることで、失禁による排泄物の接触を防ぐことも期待できます。ただし圧迫や摩擦を受けやすいところに貼るのですから、当然ずれたり剥がれたりしやすい状況になります。
ずれや摩擦を回避することは、褥瘡予防としてとても重要なケアであることはみなさんも良くご存知のことと思いますが、これにはずれ予防を念頭に置いたポジショニングや背抜き(圧抜き)といったケアが不可欠です。
私自身、フィルム材がよれてしまう患者さんに関わる時は、”ずれ力”がコントロールできていないサインと受け止めて、まずはポジショニングやずれ対策ケアの見直しをするようにしています。その上で、やはりフィルム材も必要と判断したら、貼り方を工夫します。例えば尾骨部の場合は、5~7.5CM幅のフィルム材を10~15CMの長さで2枚用意し、尾骨を中心に逆Vの字に貼ります。こうすると、足を動かしてもフィルム材が浮きにくく、はがれにくくなります。また、極薄タイプのフィルム材(例えば「エアウォール(共和)」など)を選ぶのも、皮膚との段差が少なくなりはがれにくいようです。
なお、フィルム材を貼ったら、剥がす際の剥離刺激にも注意しましょう。せっかく保護目的で用いても、不用意に剥がして表皮剥離を起こしてしまっては逆効果になってしまいますから。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
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