1. ホーム
  2. コラム
  3. 褥瘡予防リスクアセスメントについて
専門家Q&A

褥瘡予防リスクアセスメントについて

ご質問

褥瘡リスクアセスメントツールには、いろいろありますが、当院では厚生労働省危険因子評価表をもとにアセスメントしています。褥瘡管理ガイドラインによると、ブレーデンスケールの使用が推奨度Bとされています。併用かまたは変更か施設でどのリスクアセスメントを使用するかの決定はどのようにして決定しているのでしょうか。いろいろなツールをうまく使い分ける方法はありますか?

専門家の見解

あなたの病院ではすでに厚生労働省危険因子評価票を使われているということですので、高齢者が多い施設であればその評価票をベースとして、必要に応じて使い分ける(脊髄損傷者や小児など)という方法も良いのではないでしょうか
 褥瘡のリスクアセスメントツールは種類がいくつもあり、どれがよいのか悩んでしまうこともあるようですね。
まずブレーデンスケールですが、これは数ある褥瘡リスクアセスメントスケールの中でも最も検証がすすんだスケールのひとつといえます。そのため信頼性が高く、日本褥瘡学会のガイドラインでも推奨度Bとされています。このスケールは、一般的に広く用いることができるスケールとして世界的にも使用されているもので、構成項目の点数が低い場合はどのようなケアが必要かをアセスメントする指標として活用できるという特徴があります。
また、厚生労働省危険因子評価やOHスケール、K式スケールは、日本人を対象にした研究から開発されたスケールであり、特に高齢者のリスク評価に有効とされています。さらに、小児患者を対象にしたブレーデンQスケールや、脊髄損傷者対象の脊髄損傷褥瘡スケール(SCIPUS)、在宅療養者を対象とした在宅版K式スケールなどもあります。これらはいずれも「褥瘡予防・治療ガイドライン第3版(日本褥瘡学会)」に採用されています。
このように、褥瘡のリスクアセスメントスケールにはそれぞれ特徴がありますので、使用する施設の特徴に合ったものを選ぶことが大切です。
まずは基本的に用いるスケールをひとつ決めておいて、そのスケールではアセスメントが十分ではないと思われる場合には別のスケール(例えば、脊髄損傷者の場合はSCIPUSなど)という方法が良いでしょう。

あなたの病院ではすでに厚生労働省危険因子評価票を使われているということですので、高齢者が多い施設であればその評価票をベースとして、必要に応じて使い分ける(脊髄損傷者や小児など)という方法も良いのではないでしょうか。

ただし、スケールの種類がふえるとスタッフが混乱したり使いこなせなかったりすることも考えられますので、このような点も配慮のうえご検討下さい。

おすすめ参考文献:「褥瘡ガイドブック」日本褥瘡学会編集 昭林社2012.

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。

このコンテンツをご覧いただくにはログインが必要です。

会員登録(無料)がお済みでない方は、新規会員登録をお願いします。



他の方が見ているコラム