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専門家Q&A

輸液のルート管理について

投稿日:2013.08.08

ご質問

点滴のボトルから20滴用の輸液セットを使用中60滴用の輸液セットへに変更になった際、
20滴用輸液セットをボトルから抜かずにルートを2回結び刺入部側を切った状態でつり下
げているのですがボトルから抜かない方がいいのでしょうか。担当者に聞くとゴム栓から
ポタポタ垂れるのでこちらの方がいいといわれました。どちらが良いのか教えて下さい。

※ナースの星編集部が代行して質問しております。

専門家の見解

質問者の方の疑問のように、輸液セットの差し直しのほうが良いのではと思います。
どちらが良いのか、科学的な根拠を示して断言するのが難しい問題ですね。

考えられる問題点は

>抜かずにルートを2回結び刺入部側を切った状態でつり下げ
 ・複数のルートがぶらさがっていることでの見た目の悪さ
 ・誤注入(混注含む)、誤接続の危険性
 ・切断部の細菌汚染と逆行性に輸液本体が汚染される危険性

>前のルートを抜去して新しいルートを穿刺
 ・抜去した穴から輸液剤が漏れる


昔はよく輸液剤の漏れを眼にしましたが、最近はどうでしょう?
金属針ではコアリングといってゴム栓部分が削れて液漏れを起こしやすくなる可能性がありますが、

最近のプラスチック針ではこの危険性は少なくなっています。
輸液や輸液ルートを製造しているメーカーに問い合わせてみましたが、

穿刺用の指定部位を用いていれば、1-2回の穿刺でコアリング→液漏れが起こる可能性は
ほとんどないということでした。


ただし、下記のURLの資料にあるように、垂直に穿刺する、針を回さないといった注意が必要です。

注射・輸液の基本用語 - 船橋市立病院 医療安全管理室
http://www.mmc.funabashi.chiba.jp/safety/files/6_9.pdf


輸液製剤協議会 コアリング防止策について
http://yueki.com/am/measure1.html



以上の点から、質問者の方の疑問のように、輸液セットの差し直しのほうが良いのではと思います。

また、実際に差し替えたときに液漏れがおきているかどうかを確認してみてください。
もし、液漏れがおきているようなら、輸液ルートのメーカーに相談してみることをお勧めします。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
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