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専門家Q&A

創の洗浄について

ご質問

創の洗浄をして軟こうなどを塗布する事が多いですが、洗浄時に辺縁が洗えればOKという人やしっかり中まで指で洗うようにという人がいます。
どちらが正しいのでしょうか?教えて下さい。

専門家の見解

創部の洗浄時には、創の表面に付着した細菌や残存物を洗い流して減らすことが大切です。褥瘡では、単に洗浄液をかけるだけでは落ちないような、ネバネバした粘調の浸出液を認めることがあります。このような場合は、創面を傷つけない程度に軽くこすりながら洗い流す方が効果的です。ポケットのある創の場合は、ポケットの奥まで洗浄液が行き届くように、ノズルのついた洗浄ボトルを活用するのが一般的です。ポケットの中まで指で洗う事が推奨されるのは、そのような方法でも出血を起こさずに安全に、かつ効果的に洗えるような場合です。ポケット内腔が狭い場合には、無理に指を入れるのは避けましょう。そしてどのような創でも共通して推奨されていることは、充分な量の洗浄液で洗い流すことです。

専門家の見解

創の周囲皮膚は十分に泡立てた弱酸性の泡で優しく洗浄することが推奨されています。
『指を入れてしっかり洗浄』というのは感染創の場合に行われることがあります。創部の表面が感染で覆われている場合には慢性創傷となり、正常な治癒過程が歩めず創傷治癒が遅延します。感染制御の目的で洗浄しているように思います。しかし、指を創部の置くまで入れるのは患者さんにとって苦痛であり、痛みのコントロールを十分にしたうえで行うことが大切といえるでしょう。そのため、指ではなくガーゼなどで軽く擦りながら洗浄することが多いです(物理的デブリートマン)
感染が疑われない創では指などを入れることで縮小してきた創が拡大したり正常な細胞が破壊されるため推奨されず、ポッケトなどの指を入れなくては洗えない創では適度な水圧・たっぷりの量で洗浄するだけで十分と言えます。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
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