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専門家Q&A

現在担当している利用者について

ご質問

90代後半 女性 ラコール1Pを朝・昼・夕で注入しています。(栄養ボトルセット、滴下にて)
現在液体栄養剤を使用しておりたびたび下痢を繰り返し、痰量も多い方です。
(以前は24Fの胃瘻チューブで半固形化栄養剤を使用していたが7/15、14Fのチューブに交換したため半固形化栄養剤を使用するとチューブが詰まってしまい現在主治医の指示で液体栄養剤を使用している)

又、以前はラコール注入後白湯を追加水としていましたが
6/25よりラコール注入前にOS-1を投与していく方法に変更いたしました。(経腸栄養管理実施の際、逆流予防として水分OS-1を前投与する)

OS-1の胃内排泄時間は100ccで5分程度と水道水よりかなり早いと伺っております。
では栄養剤ラコールはどの位の時間になるのでしょうか。
ラコール200ccで30分弱で注入しています。
朝昼夜の栄養注入は3時間くらいあけて実施しています。
この栄養時間の間隔は適切でしょうか。

現在この利用者は逆流はありません。痰の量は多いです。
下痢は治まりやや便秘傾向です。

専門家の見解

胃排出時間にはかなり個人差もありOS-1が100mlが5分で排出というのは信用できるものではありません。また、水道水よりも早いというのは知りませんでした。
経験上、OS1や水などカロリーのないものは200mlまでなら、ボーラス投与しても大きなトラブルは起こっていません(食道裂孔ヘルニアのない方に限ります)。30分あればほとんどの患者さんで胃から排出します。
ラコールなどの経腸栄養剤(カロリーのあるのも)は一般的には液体で注入する場合は200ml/時間で行うことが推奨されています。ただ、通常我々もカップスープを1時間かけて飲むことはありませんので徐々にスピードアップしていき、患者さんに合ったスピードに調節します。
我々は、追加水をボーラスで投与⇒30分後に栄養剤を200ml/時間で投与しています。注入中と注入後1時間は半座位の体位にしています。栄養剤の注入間隔は3時間もあければ十分と思います。
痰の増量は胃にカロリーが入ることにより唾液が増えることが多くの原因ですが、胃食道逆流により栄養剤が逆流している場合もあります。痰を吸引し、ウロペーパーにて糖が強陽性であれば胃食道逆流です!栄養剤の固形化をお勧めします(PEGカテーテルは20Fr以上にサイズアップが必要です)。ちなみに固形化栄養は胃の排出時間は遅延しますが、下痢と胃食道逆流の予防になります。また、下痢については私の7月のコラムを参照してください。
90代後半の患者さんとのこと、食道裂孔ヘルニアもある可能性があり状態をよく観察しながら管理してください。

専門家の見解

西山先生が回答されているように、この時間は患者さんごとに異なります。
>OS-1の胃内排泄時間は100ccで5分程度と水道水よりかなり早いと伺っております。
>では栄養剤ラコールはどの位の時間になるのでしょうか。

OS-1については近森病院管理栄養士の宮澤靖先生の下記の論文が出典だと思います。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/22/4/455/_pdf/-char/ja/
以前お聞きした講演会でも、OS-1先投与で逆流は予防でき、半固形化は行っていないと言い切っていましたが
異論のある先生も多いと思います。

出典を探しきれなかったのですが、
栄養剤の胃排出時間については、胃内容がほぼ空の状態で、栄養剤60mLは15分、水60mLは7分という報告がありますが、


>朝昼夜の栄養注入は3時間くらいあけて実施しています。
>この栄養時間の間隔は適切でしょうか。

投与前に胃内残渣量のチェックはされているでしょうか。
胃内残渣がほとんどないようなら投与間隔として問題ないと思います。
残渣量の目安としては投与量の半分以上を目安に、
100mL以上であれば投与量の減量か投与間隔の延長、ガスモチンや六君子湯の投与などの検討が必要です。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
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