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専門家Q&A

褥瘡予防を考慮した寝具

ご質問

病院における高齢者の寝具について、排泄物汚染による手間を考慮し、シーツ・ラバー・横シーツと敷くのか、絶対的に皮膚トラブルを考慮してパット・シーツにするのかはその施設の考え方次第でしょうか・・・。マキシ・シーツ・ラバー・横シーツと使用していて、どうしても発汗、しわの面から
理解できないのですが・・・。介護福祉士が指揮を執っているところもあるようでどうしたら説得できるか、なにかよいデータか資料はありませんか?

専門家の見解

シーツの使い方は、施設によってかなりの違いがあるようですね。
体圧分散マットレスの上に敷くシーツという前提で述べますと、①伸縮性がある②摩擦抵抗が少ない(すべりやすい)③除湿効果がある(吸湿・速乾性)④なるべく薄手、であることが褥瘡予防には良いとされています。
そしてラバーシーツですが、これはベッドを汚さないためのものであって、患者さんにとってはデメリットの方が多いので、褥瘡予防にはあまりお勧めできません。つまり、①伸縮性が無い(⇒除圧を妨げる)②摩擦抵抗がある(⇒ずれ、摩擦を助長)③蒸れやすい(⇒浸軟を助長)④厚みがあって固い(⇒除圧を妨げる)、ということです。さらに横シーツを重ねる必要も出てきます。厚手のシーツを重ねるほどど、マットレスの減圧効果が損なわれてしまいます。これは、オムツの重ね使いにも通じることです。
ただし防水シーツが必要な患者さんもいますので、選択的に使用したり、できれば吸湿・速乾性で柔らかいタイプのものに変更していくことをお勧めします。

ご質問者の病院では「マキシフロート」を使用されているようですので、可能であればシーツは伸縮性・除湿効果のあるものがお勧めですが、そうでない場合でも、シーツをぴんと張りすぎないでルーズフィットにするだけでも、ある程度の除圧効果が保てます。具体的には、シーツを張った後に、シーツの上から手でマットレスを押し付ける動作を患者さんの体に沿って一周行います。これは防水用シーツにも共通する点です。
ちなみにマキシフロートは本体カバーが防水ですので、表面がぬれても拭取ればOKです。
文献では無いのですが、下記は日本褥瘡学会hpからの引用資料です。

www.jspu.org/jpn/event/ppt/fujimoto.pdf

(株)ケープホームページ
www.cape.co.jp/knowledge/

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