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専門家Q&A

胃瘻管理について

ご質問

胃瘻を増設された患者家族からの質問です 説明書どうりに管理する必要があるのではないですか
患者は富士システムズ GB胃瘻バルンカテーテルを使用しています 
説明書には 使用目的 30日を超えて留置しないこと 留置後のケアには 原則として留置期間中(最大30日)は膨張状態維持のためバルーン注入水の再注入は必要としないと書かれている

担当医師はバルンカテーテル交換について1回/3ケ月
バルーン内 水確認 1回/週と患者家族に説明っしている  

家族にはどのような説明をすれば良いでしょうか 
家族も説明書を持っています 
交換時期の3ケ月について 医師は経験上 患者に必要以上の苦痛を与えたくないと言っています

専門家の見解

バルーン型のPEGカテーテルは本来1回/週の蒸留水の入れ替えが必要でした。
また、添付文書上、バルーン型PEGカテーテルの交換時期は1ヶ月とされています。
その中で、我々の地域では、患者さんの経済的負担を考え、1回/週の蒸留水で、3ヶ月毎の交換としてきました。
経験的に3ヶ月は自然脱落等の経験はありません。

しかし、これは適応外使用ですので、
このことも含めご家族に説明し、患者さんご家族にも許可を得ています。
燕さんの病院の先生もこのことをおっしゃっているものと思われます。
ただ、バルーン型のPEGカテーテルの交換はほとんど痛みや苦痛はありません。経済的負担のみです。

さて、数年前に発売されました富士システムのGB胃瘻バルンカテーテルは、バルーンに特殊なコーティングをされており、交換時期の1ヶ月間の間の蒸留水交換は必要ないと発売されています。左記のみの臨床試験され安全性を確認されたようです。

発売当初に、理論的には1ヶ月毎に蒸留水交換をして3ヶ月間使えるのではないかと富士システムに質問しましたが、そのような臨床試験はしておりませんので、1ヶ月毎に交換してくださいとの回答でした。
(3ヶ月カテーテルが持つのであれば、売上が1/3になりますから、この質問は愚問です・・・。)

ということで、私の関わっている患者さんに、GBバルーンを使用する際は、蒸留水を1ヶ月毎に交換、PEGカテーテルは3ヶ月毎としています。
ただ、これが適応外使用であることを、交換時の同意書を頂くときに、添付文書をみせて本人家族に説明し理解を得ています。

もし、自然脱落があったときは、すぐに連絡するようにということも毎回お伝えしています。
経済的に1ヶ月毎交換して欲しいと希望されるならば、交換しています(小児のお母様はそちらを望まれることも多いと聞いています)。

また、交換の際のトラブルとして、バルーンの蒸留水が抜けないことが起こる可能性があります。
この際は、3ヶ月になっていなくても新しいものに交換することもお伝えしています。
バルーンの蒸留水を抜かないままにPEGカテーテルを引っ張ることは瘻孔損傷の危険であり、ピンク針でバルーンを虚脱してから抜去します。
(PEGスコープで内部から確認することもあります。また、PEGスコープは交換にも便利ですし、放射線照射もないので優しい交換法です。)

保険適応外ですが、この対応でこれまで、自然脱落、事故(自己)抜去なども含め、トラブルありません。
事故は必ずある一定の確率で起こります。起こったときに適切な対応を行い、トラブルにならないことが必要です。
何よりも、本人・ご家族とのコミュニケーションが大切であると思います。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
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