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専門家Q&A

除水量

ご質問

除水を先取りする事のメリットとデメリットを教えてください

専門家の見解

透析患者は尿の排出ができなくなり、体内に水分が貯留してしまいます。その水分はどこに溜まるのかと言いますと、まずは血管の中、その次は間質、さらに細胞内となります。透析で除水をするということは、血管の中の水分のみを除去しているので、一時的に血管内脱水を起こします。すると間質、細胞内から血管に水分が戻ってくる、これを「プラズマ・リフィリング」と呼びます。
日本語では『血漿再充填』とも言われています。
透析中、除水を進めていくうちに血圧が低下するのは、血管からの水分の除去にプラズマリフィリングが追いつかなくなり、血液量が低下することにより起こります。除水を先取りすることのメリットは、血管内にたくさんの水分が貯留している時点での除水なので血管内脱水を起こさず除水ができることです。
デメリットとしては、透析開始時に血圧が低下する患者には症状を悪化させてしまうことがあるということです。透析開始時に血圧が低下する原因としては、血液を血液回路に取り出したことによる体内循環血液量の低下や、血液が血液回路やダイアライザなど異物に接触することにより、一過性の白血球減少症などが考えられます。患者の透析中の血圧低下の原因、下がりやすい時間帯を把握し、患者個々に合わせた適切な計画除水が必要になります。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
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