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廣町佐智子先生の看護研究の進め方第5回

補足資料 『はじめに』の例 廣町佐智子先生の看護研究の進め方

投稿日:2012.06.08

第3回・4回で、放射線皮膚炎を題材にした研究の「はじめに」の書き方を簡単に説明しました。ここでは、実際にどのレベルまで「はじめに」を書いたらいいのか、ひとつの例を示しておきます。
「はじめに」の前半部分は、問題が起こっている背景です。文献を引用して問題状況に客観性をもたせています。


中盤から後半にかけては、自分たちの研究のオリジナリティの確認です。自分たちの研究課題がどこまで明らかにされているのかを文献を引用しながら検討しています。

そして、最後のシメ(下線部)です。下線部は、文献検討の結果、自分たちはどんな研究をやることにしたのか、「研究の対象、研究の方法、収集するデータの種類、分析の方法」について端的に示したものです。


これを書くことで、研究の方向性が明確に決まり、ブレなくなるのです。

『はじめに』の文例紹介

テーマ:冷却時間の違いが放射線皮膚炎に及ぼす影響(仮題)

放射線による皮膚障害は,1~4度に分類され,1度(皮膚紅斑)は20~30Gy,2度(表皮剥離)は35~45Gy,3度(水泡形成)は50~60Gy,4度(潰瘍形成)は耐用線量以上の照射で出現するといわれる1)

特に頸部が照射野の場合は,衣類の刺激・皮膚の伸展・発汗などの影響で放射線皮膚炎が悪化しやすく2),痛みや灼熱感から睡眠障害や食欲低下などの原因となりやすい。

放射線皮膚炎の対処法としては,組織血流を減少させ組織を低酸素状態にすることから局所冷却が有効といわれ3),一般的にはアイスノンが用いられることが多い4)。

しかし患者のなかには冷却が「冷た過ぎる」という理由から,拒絶・中断してしまう例もある。そのため放射線皮膚炎の抑制効果のある冷却の最短時間を明らかにし,患者のQOLを維持するとともに,患者への適切な指導に結びつける必要がある。

 放射線皮膚炎を抑制する冷却時間についての研究には,少数ながら,30分の冷却が有効とするもの5)や,15分で有効6)とするものがみられる。

いずれも冷却を行わなかった対象者との比較であり,冷却が1度の放射線皮膚炎の出現時期を40~50Gyにまで遅らせる5)6)という点で共通している。

しかしいずれの研究も少数の事例から結果を導き出しているため,研究成果の一般化には限界がある。

 そこで本研究では,より確実な冷却時間の指標を得るために,10分・20分・30分の冷却のいずれが放射線皮膚炎の抑制と患者のQOLの維持に有効かを,多数の患者の協力をもとに実験的に明らかにしていきたい。
※文中の「1)2)3)・・・」は引用した文献の番号。番号に沿って文献リストを作成しておく。

コンテンツ提供元企業

株式会社 医教
全国の看護学校・看護学生をメインに、 看護師国家試験対策模擬試験をはじめとした国試対策教材・DVDを販売。 なかでも、看護基礎教育から臨床現場への橋渡しを熟知した講師による 「基礎からのナビゲーションシリーズ」DVDは、 看護学生のみならず、新人看護師や院内研修用としても好評を得ている。

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