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看護研究の進め方

廣町佐智子先生の看護研究の進め方⑦ 研究計画作成(1) 

投稿日:2012.06.20

研究方法を具体化するには、「はじめに」の最後の部分(シメ)で、どんな研究がしたいか、概略を書いておくことが必要です。



復習になりますが、「シメ」に必要な内容は、「研究の対象、研究の方法、収集するデータの種類、分析の方法」です。


このうち、「分析の方法」について解説します。「分析の方法」とは、得られたデータから何を明らかにしたいかということです。明らかにしたい内容は、大きく4つに分けることができます。

1.因果仮説検証研究

「BというデータにAが影響を及ぼしているかどうか」を分析する研究です。

研究例として紹介した「冷却が放射線皮膚炎に効果があるか」の研究はこのタイプです。

2.関連探索的研究

「AというデータとBというデータには関連性があるか」を分析する研究です。

例えば、「運動習慣と内臓脂肪の量は関係があるか」などはこのタイプになります。

3.関連探索的研究

「Aに関連する因子はなにか」を分析する研究です。

例えば、病棟内で患者の転倒が問題になっていたとします。

「何が転倒に影響しているのか、数ある因子のなかから関係ある因子を探っていく」などはこのタイプの研究になります。

4.探索的研究

「Aとは何か」を明らかにする研究です。

まだよく分からないAというものの正体を明確にしていくタイプの研究です。

例えば、終末期医療のなかで、看護師が様々な葛藤を経験しているとします。

しかし、その葛藤はあまり語られることがないので、その実態がよく分からない。

そう言う場合は、葛藤そのものを明らかにする必要があります。

このようなタイプの研究を「探索的研究」といいます。



自分たちの研究のタイプがどれにあたるのか、おおよそ検討がついたでしょうか。

実はどのタイプかによって、研究方法(特にデータのとり方)が決定的に変わってきてしまうのです。



次回は、タイプ別研究方法について解説します。

コンテンツ提供元企業

株式会社 医教
全国の看護学校・看護学生をメインに、 看護師国家試験対策模擬試験をはじめとした国試対策教材・DVDを販売。 なかでも、看護基礎教育から臨床現場への橋渡しを熟知した講師による 「基礎からのナビゲーションシリーズ」DVDは、 看護学生のみならず、新人看護師や院内研修用としても好評を得ている。

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