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訪問看護ステーション訪問レポート第13回

訪問看護ステーション訪問レポート第13回

投稿日:2018.03.12

今回訪問したのは、ケアプロ訪問看護ステーション東京の足立ステーション。 
CVポートなどを付けて自宅療養されている方への感染予防対策のポイントから、24時間体制の訪問看護ステーションのあり方まで、金坂宇将所長と星野雄紀副所長のお二人が、熱く語ってくださいました。

“いつもと違う”でトラブル回避

月にのべ1700件ほどの訪問をしているケアプロ訪問看護ステーション東京。毎月変動はあるものの、医療保険利用者の件数割合が全体の6割と、全国平均より多めです。
ポートなどのカテーテルをつけて医療処置の必要な状態で退院してこられる方は、増加傾向にあるそうです。
「在宅では、感染管理を必要とする中心静脈ルートへのカテーテル留置をしている利用者様が感染を起こさないように、訪問看護師が徹底して処置をしていくのはもちろん、家族や介護スタッフとも協力していくことが重要です。
過去に、ルートの刺入部を保護するドレッシング材が剥がれそうになっているのに、家族も介護スタッフもあまり気にしておらず、訪問看護師が訪問するまでそのままの状態だったこともありました。
こういった事を防ぐために、刺入部から細菌が入ったら危険なことを家族や介護スタッフに伝え、剥がれたらすぐ連絡してほしいと繰り返し説明したり、わかりやすく絵や文章で示たりして指導しています」(星野さん)
二方で、家族の遠慮や介護スタッフの医療従事者に対する敷居の高さもわかるので、遠慮することで大事に至らないよう、こういう心配があったらいつでも電話はつながるから相談してください、とあらかじめ伝えておくことも大切。

知らせを受けて私たちが処置をして重症化せずに済めば、その成功体験から次の電話もかけやすくなりますよね」(金坂さん)と、
訪問現場での工夫を語るお二人。
「ポートトラブルや感染を防ぐためには、本来の正しい針の位置や形、ドレッシング材の様子などをよく知った上で普段観察する癖をつけておくと、”いつもとちがう”、に気づきやすくなります。訪問看護師より頻繁に訪問する介護スタッフの手と眼を借りて感染予防を進めていく、という意識も訪問看護では大切だと思います」(星野さん)

“何かおかしい”と判る眼を多く育てることが、在宅医療には重要であると強調されました。

限られた条件で最高のパフォーマンスを

「病院から在宅に転職すると、教科書的な感染管理の理想と実態のギャップを感じる看護師も少なくないと思います。しかし、そんな中でも基本となるのは手指衛生。
“感染は持ち込まない、持ち帰らない”を、訪問看護師にも介護スタッフにも徹底しています。また、病院ではグローブ・エプロンから消毒薬まで当然のようにある感染対策グッズも、在宅では主治医や家庭の状況によって使うものも量も異なります。
今あるもので最高のパフォーマンスを目指すためには、感染の知識は勿論のこと、知恵と工夫で対処していかなければなりません。ある意味それが病院にはない自由度だったり醍醐味でもあったりします。
在宅で大切なのは予測力と想像力。次回の訪問までのことを想像し、考えられる落とし穴を予測してシミュレーションし、先手で対応していくということです」
と金坂さんが語れば、「私たちが、1時間毎日訪問しても一日の1/24。残りの23時間を安全に過ごしていただくために必要なことを考え、その1時間に凝縮させる。
それが24時間対応のステーションの仕事の仕方だと思います」
と星野さんも力を込めます。

お二人が語ってくださった訪問看護師としての心構えに、プロフェッショナルとしてのオーラを感じたインタビューでした。
ケアプロ訪問看護ステーション東京
足立ステーション
〒121-0815
東京都足立区島根3-5-8 コーソカラオケ201
TEL:03-5851-8809 FAX:03-5856-5233

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