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口腔ケア

口腔ケア 突然怒る患者さん!!

先日、研修先のA歯科で、30歳のベテラン歯科衛生士が75歳の男性患者さんから怒られていました。
患者さんが怒った理由は、診療室に案内されユニット(診療台)に座り、エプロンをかけられた次の瞬間に「変わりないですか、では今からお口の中の写真を撮りますね」と、いきなり言われたことのようでした。

その患者さんはやや声の大きい怒った口調で「何でカメラで撮るの?わしは何も聞いていない!」と、事前に情報提供されていないことに腹を立て、さらに「君の話し方は何なんだ!」と、ベテラン衛生士の決まりきった心のこもっていない口調が、彼の怒りを大きくさせたようです。
怒られた衛生士は、突然の患者さんの怒りに、何が原因かがわからないようで「自分の対応力かも・・・」とカメラを持つ手が震えていました。

この状況を察知し、すぐに私はこの患者さんのカルテ・問診票、連絡表を確認しました。

A歯科には8年も通っている患者さんで、自費治療も多くされ、今はメインテナンスに移行されて、定期的にクリーニングでの来院でした。
その連絡内容には、ここ数年の間に患者さんからクレームを言われたこと、その都度院長が患者さんに直接説明されていることが記載されてありました。

断定はできませんが、ここ数年で、この患者さんに認知症の症状がでているのでは、と察する内容、今日の態度です。
案の所、この方は、院長に厳しく説明されても、何も気にしていない様子でした。さらに受付では、歯科とは全く関係ない話を一人で勝手に話し、笑顔で帰宅されていきました。

ベテラン衛生士には、もっと連絡表を事前に読むなど、朝のブリーフィングで全スタッフで患者さんの情報を共有化させていくこと。
高齢者=お年寄りでなく、尊重して相手の望む対応で接すること、また、認知症という症状も把握しておくこと、と指導しました。

様々な状況が重なって、患者さんが怒りを爆発させることはありますが、医療人として、常に患者さんを「観る・診る・看る」目をもって接することが重要です。

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