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Go Go Mr.Nurse! File 第6回

Go,Go,Mr.Nurse! File.006 田口大介さん

投稿日:2015.09.30

「ワーク」と「ライフ」を両輪に 今日も奮闘 パパナース!

今回ご紹介する男性看護師は、慶應義塾大学病院外科で働く田口大介さん(35歳)。
看護師歴11年目の今、院内の看護教育プログラムを修了し、次なる道は専門コースか管理職コースか?
田口さんが「男性看護師としてやりたいこと」をお聞きしました。
田口さんの歩み

2003 年 3 月  東京都立保健科学大学保健科学部
        (現在は首都大学東京の学部へ変更)看護学科卒業
2005 年 3 月  同大学院保健科学研究科 看護管理学専攻 修了
     4 月  慶應義塾大学病院 血液・消化器内科病棟入職
2007 年 3 月  27 歳で結婚
2012 年 5 月  長男誕生
     11 月 脳外科・形成外科・歯科口腔外科混合病棟に異動
2015 年 7 月  同病棟で子育てと仕事に奮闘中

家庭は大切

中堅どころの田口さんの帰宅は、遅い日は夜の8時、9時。三交替シフトの看護師は、家族の生活リズムとはズレが生じがちですが、夜勤明けで眠たいときも、夫として父親として奥様との会話やお子さんとのふれあいを大切にしているそうです。

「帰ると子どもは寝ていることが多いのですが、寝顔を見ると、『よし、がんばらなきゃ』、とやる気が出ますね。
今は家事も育児も妻にお任せ状態なので、せめて休日くらいは… と思うのですが。たまに息子をお風呂に入れようとしても、〝お母さんじゃない!〞と泣かれちゃいます(笑)。もう少し大きくなって外遊びができるようになったら、父親の出番かなあと思っています。家庭でのコミュニケーションは、患者さんやご家族に心を開いてもらうコミュニケーションのトレーニングにもなるので、家族の存在は公私共々ありがたいですね。大切にしなくては」
と語る田口さんの顔は、子育て中のお父さん。

〝子を思う気持ち〞でつながる

今は元気一杯の息子さんですが、2歳の誕生日を迎えた直後に熱性痙攣でICUに入院したことがあるそうです。

「看護師なのに、自分の子どものときには冷静さを失っていたところはありますね。本当に危険な状態だったのに救急車を呼ばず、あとになって何で呼ばなかったんだろう、と考えたりして。
妻はずっと病院で付き添い、僕は仕事に行きながら面会に行く日々を1週間ほど過ごしました。
わが子の入院を経験したことで、入院してくる患者の家族、同じ立場である父親は、どのような思いでいるのかを、父親2年生の僕でしたが少しは共感できたのではないかと感じています。
今は小児科担当ではありませんが、父性を意識した役割もあるのではないか、と日々考えながら看護を行うようになりました」

また、患者さんとのコミュニケーションにおいて、子どもの話題は張り詰めた雰囲気を和ませてくれるそうです。

「元気のない方や意識が朦朧としている方も、子どもの話になるといきいきして表情も和ぐことが多いですね。
退院後の生活についての相談で、家庭の事情などデリケートな事柄を聞かないといけないような場合も、子育ての話題が出ると、会話がスムーズに進む気がします」

看護の質にも影響 ―職場環境の質

〝こんな時、自分だったらどう思うだろう…〞と置き換えて患者さんに関わるとき、男女で考え方の微妙な違いがあるのではないでしょうか。
実際、看護師長から「こういう時、男の人ってどういう考え方をするの?」とカンファレンスなどで求め<られることもあるそうです。
そこでの発言や議論が看護の質を深めることにつながるのであれば、男性看護師にはもっともっと声をあげてほしいものです。

慶應義塾大学病院の男性看護師の割合は、現時点で看護師全体(1100余名)の7〜8%で80名程度。
田口さんが担当している混合外科病棟では、看護師30名中5名が男性で、この割合は院内でも高い方だそうです。しかし、看護部全体で管理職についている男性はまだおらず、主任が一人いるだけとのこと。
管理職は組織運営に関わる仕事ですから、パイオニアとしての不安が大きい反面、やりがいも大きいはず。

「当院の教育プログラムは、レベルⅣまでを修了すると、管理職を目指すコースと認定看護師や専門看護師などの専門性を極めるコースに分かれます。
僕は組織運営に関わる仕事にも興味があるので、管理職コースに進みたいと考えています。
職種や男女による垣根がなく、看護師自身に無理のないワークライフバランスを考えることは、患者さんに良いケアを提供する上でも必要な要素だと思います。
将来的には看護部から病院全体に発展させるような職場環境改善の活動に関わっていきたいですね」
と抱負を語る田口さん。

今後の益々のご活躍をお祈りいたします。
Go Go Mr.Nurse!
★家族とのコミュニケーションは看護のトレーニング

★考え方の違いを看護に活かそう

★ 職場を動かす管理職。男性参加の意味を考えよう

協力:日本男性看護師会
 http://www.nursemen.net

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