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学会聴きある記第3回

【学会聴きある記】創傷被覆材をめぐる現況③

投稿日:2015.11.17

第17 回 日本褥瘡学会学術集会
(2015 年8月28・29日 於:仙台)

進化する褥瘡管理

久々に参加した褥瘡学会。
前掲の演題の他にも、貴重なコメントや報告をたくさん聴き歩きしてきました。

会長の館 正弘先生(東北大学大学院医学系研究科形成外科教授)が今回掲げたテーマは、「先進的褥瘡研究の推進」。
単に製品やテクニックのみに先進性を見出すのではなく、栄養と褥瘡、他学会とのコラボレーションの可能性、急性期褥瘡への介入などを取り上げた企画が詰め込まれ、どの会場を聴講しようかと選択に悩みました。
本学会理事長の真田 弘美先生(東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻老年看護学/創傷看護学分野教授)は、「褥瘡の予防と治療:クイックリファレンスガイド(日本語版)」が完成し、
①ドレッシング材を褥瘡予防的にも使用する価値があることが科学的な根拠を持って示された!(18ページ)
②DESIGN /DESIGN -R が治療のモニタリング方法のひとつとして世界の共通言語になった!(36ページ)
と、満面に笑みをたたえて紹介されていました。

二日目最後の企画は、市民公開講座「褥瘡(床ずれ)とは?」。

真田先生の「褥瘡は予防できる!」、館先生の「健康寿命を長く保ちましょう!」そして東北大学病院リハビリテーション部 佐藤房郎先生の「家庭でできる転ばないための運動」の3本立て。
フロアの参加者も一緒に足を回して体操するシーンもありました。

肺炎や転倒をきっかけに寝たきりになり褥瘡ができてしまうケースが多いことから、褥瘡予防のためには口腔ケア(口の中が汚いと、細菌だらけの唾液を誤嚥した時に肺炎になることも)や全身状態を良好に保つための栄養管理(風邪をひいても肺炎になりにくい抵抗力をつける)の重要性にも触れ、市民の皆さんにも、身近で役立つお話だったことでしょう。
「確実に進歩してきたが、まだ解明するべき問題は残っている」(館先生)という褥瘡研究の世界。
是非来年も、聴き歩きに伺いたいと思います。

(編集部: 岡崎)
【学会聴きある記】創傷被覆材をめぐる現況③

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