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要介護1の母と私の関わり第1回

要介護1の母と私の関わり①

母が要介護1に認定されました。
私の母は昭和7年生まれで、間もなく82歳になります。
母、60歳の時にクモ膜下出血で手術をしました。幸い後遺症なく、現在も元気でいますが、高血圧、心疾患、大動脈瘤、緑内障、糖尿病、甲状腺と複数の疾患を抱えています。

7年前に父が亡くなり一時体調を崩した母ですが、80歳を迎えるまでは、私も母の将来を考えることはありませんでした。
しかし、80歳の誕生日を迎えてから、日に日に体が衰えて行くのがわかるようになりました。
ちょっとしたことでつまずき易くなる。物を忘れる。同じことを何度も言う。右目が見えなくなる。
言い出したらきりがありません。

歯科衛生士である私として、一番危機感を覚えたのが、母の歯が急激に悪化してきたことです。
年齢的に対処療法しか出来ないのですが、歯の治療をしても、すでに本人の自覚は無くなっていますが、上手く食事が出来ず飲み込んでいることがわかります。

また、嚥下機能も低下しているのに、話ながら食事をすることが非常に多くなりました。
何度注意しても、本人にはその自覚がないのです。

私はこんな母を心配し、スープの冷めない距離に住まいを借りました。仕事柄、出張が多くまめに母の世話をすることは出来ず、兄が一緒に暮らし、そばで見守っている状態です。
一駅先に姉が住んでいますが、母の状況を見てはいつも「年だから仕方がない」と言い切ってお終いです。
 「年だから仕方ない」という言葉は、言われた本人も、困っている身内も、非常に冷たく悲しい言葉です。
仕方ない=方法がない、と言われていることであり、そこには希望がなく、明るい未来を見出すことも出来ません。

疾病を未然に防ぐ予防は、母にはもう手遅れかもしれません。でも、明らかに母の歯や全身疾患を悪化させている原因の要因の一つは、食事です。
そしての粗悪な食事にさせているのが、母の口腔内環境であり、粗悪な食生活にさせているのは、私たち家族です。

母の人生が何歳で終止符を打つかは、誰もわかりません。
しかし、最後まで大好きなお寿司をお腹一杯食べられる人生を送らせたいと私は願っています。

その為には、「年だから仕方ない」ではなく、母の現状を精査し、本人も身内も第三者もそこから何が出来るかを考えていく事が重要です。
申請を出し、診査を受け、1ヵ月経過しやっと区役所から通知が来ました。
「要介護1」この結果を受け、姉はまた一言冷たい言葉を言いました。
「介護1くらいじゃ、大したこと受けられない」と。
予防は治療とは違います、毎日の小さな努力の積み重ねが予防です。年明けに私は母を連れてトータルリハセンターを見学しに行きます。

平成25年12月

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