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東北から発信!A-CNDnet 第1回

新連載 東北から発信!A-CNDnet

投稿日:2018.11.12

~第1回 A-CNDnet設立の背景~

2015年6月6目、A-CNDnet(秋田県認知症看護認定看護師ネットワーク)が設立されてから早3年。中心メンバーは秋田県内の認知症看護認定看護師ですが、認知症ケァの質の向上に関心があれば誰でも参加できるオープンなネットワークです。

連載第1回の今号では、設立にいたった背景および活動の目的をご紹介します。
企画:日本赤十字秋田看護大学看護学科老年看護学教授 高田 由美 先生

立ち上がった秋田の認知症看護認定看護師たち

秋田県の高齢化率は、35.5%(2017年7月1日現在)と日本一。
2035年の全国平均高齢化率予測が33.4%ですから、秋田県における現在の超高齢社会への取り組みは、日本の将来を先取りしています。
高齢化に伴い認知症のある方が増加していますが、認知症を隠して閉じこもる(閉じこめる)ケースや認知症の発見が遅れ症状が進行しているケース、また認知症の診断後、人としての尊厳が傷つけられるような誤ったケアが行われているケースなど、認知症にまつわる問題を抱える人は少なくありません。それらの状況を改善するためには、認知症を正しく理解し、適切なケアや生活支援の態勢を整える必要があります。
秋田県では2013年に東北地方初の認定看護師教育課程が日本赤十字秋田看護大学の卒後教育開発センター(注一2期生よリ現在の教育研究開発センター〉に誕生し、それまで2名だった認知症分野の認定看護師が2017年5月時点で38名までに増えています。
教育課程を修了した認知症看護認定看護師たちはそれぞれの所属機関で活動しつつ、定期的に集まり事例検討や情報交換を行っていました。

そんなとき、当時の恩師からの
「今後の活動を広げていくためにもネットワークを立ち上げては?」
という鶴の一声をきっかけに、第1期生を中心に本ネットワークが立ち上がりました。
現在の主な活動は年4回の研修会を企画・開催し、そのうち3回は各施設から事例を持ち寄ってディスカッションおよび情報交換、1回は認知症ケアに携わる多職種を対象とした講演会を行っています。その傍ら、日本赤十字秋田看護大学の認定看護師教育課程も定期的なフォローアップ研修を開催し、認知症看護認定看護師をサポートし続けています。

目標は誰もが実践できる認知症ケア

認知症看護認定看護師は、総合病院、認知症専門病棟、認知症に特化した病院、介護施設など、それぞれ業務内容の異なる場で勤務しています。
日頃の悩みや課題、ジレンマを発散し励まし合う場として、定期的な研修会(と親睦会)は大切な機会となっているそうです。
北埜さつき会長(秋田県立リハビリテーション・精神医療センター看護部)に、本ネットワークの目指していることを伺いました。
「認知症ケアは、医療者・介護福祉関係者、またご家族でも、頭では理解していても、個々の倫理観や環境等により、残念ながら不適切なケアを実践してしまうケースがあります。
その原因を考えながら解決の手助けになる情報を発信し、認知症ヶアの質を向上させることがこのネットワークの目的です。最近は、地域・行政・秋田県看護協会などをはじめ、秋田のローカルテレビ番組でも認知症のお話をさせていただき、1般市民の方にも正しい認知症ケアを発信する機会が増えてきました。
よく”認知症になりたくない゜という声を聞きます。どんな病気もならないに越したことはないですが、もしも認知症になった時、この地域なら生活していけるよね、安心だよね、と言ってもらえるような認知症ケアを、誰もが実践できることを目指していきたいと思います」

人に伝えるためには、常に自分が学び直す姿勢を持たないと、という北埜会長の言葉が印象的でした。
後日お伺いした藤井先生のお話も、これからご紹介していきたいと思います。(編集部)

A-CZDnet連絡先 Email:acnd.net◎gmail.com

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