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取材レポート

取材レポート‥‥ 長期臥床中の在宅療養高齢者における‥‥栄養療法の実際

投稿日:2018.12.18

褥瘡の治癒促進には、栄養状態が密接に関わります。とくに近年では、褥瘡管理における特定栄養素の活用が期待されています。
今回は栄養成分であるオルニチンを含む粉末飲料の摂取を導入している、鶴巻温泉病院の髙﨑先生にお話を伺いました。
難治性の褥瘡の原因の一つとして、栄養状態の低下が考えられます。褥瘡の治療には、創ができてしまった箇所の局所療法に加え全身の状態を確認し、栄養管理を行いながら治癒を目指すことが必須となります。
褥瘡患者の栄養管理では、日常の食事の中で特定の栄養素を補給することが有効だとされ、予防効果も期待できると考えられます。また、十分な効果を得るためには適正な補給が必要とされています。
特に低栄養になりがちな高齢者には、栄養管理が重要です。疾患や状態に応じて、ふさわしい栄養素や成分を考慮し摂取していただく必要があります。また、経管栄養の場合は投与方法の工夫が求められます。
当院では、褥瘡の患者さんで希望する方に、一般の食事からだけではなかなか十分に摂取できない特定栄養素の一つであるオルニチンを含む粉末飲料を、勧めています。多少コストはかかりますが、これによって褥瘡の早期治癒や予防に繋がれば、メリットは大きいと考えています。

アルギニンは免疫賦活効果を持ち、褥瘡治療の分野で長く用いられてきた栄養素です。しかし、アルギニンには経口摂取時の生物学的利用率が悪く、持続性が短いことや感染症発生時の大量投与や長期使用は推奨されていないといったデメリットがあります。
オルニチンは、アルギニンより体内で代謝され生成されるアミノ酸の一種で、タンパク質を構成しない遊離アミノ酸の形で体内に広く存在しています。
オルニチンは機能・構造ともにアルギニンと非常に類似していますが、1分子に含有する窒素の量がアルギニンの約半量であることから、腎臓への負担が軽いにも関わらず、アルギニンと同じような働きが期待できます。そのため、高齢者や腎機能が低下している人にもお勧めできるのです。
2015年に発行された『褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)』では、創傷治癒に有効な栄養素として、亜鉛、アスコルビン酸、アルギニン、L-カルノシン、n-3系脂肪酸、コラーゲン加水分解物(コラーゲンペプチド)が推奨度C1とされ、疾患を考慮したうえでの補給が推奨されています。
一方、オルニチンについては成長ホルモンの分泌を促進し、コラーゲンの原料であるプロリンに代謝されることでコラーゲンの合成を促進し、創傷治癒の促進に繋がることが推測されています。
また、細胞新生に関わるポリアミンに代謝されることも分かっています。8㎠未満の褥瘡においてオルニチン投与群では対照群より有意に縮小していたとの報告もあります
誤嚥性肺炎を繰り返し、3年ほど前に経鼻胃管栄養法に移行。寝具はウォーターベッドを使用しています。気を付けていても褥瘡ができてしまい、治癒を促すために何かできることはないかと旦那様が管理栄養士に相談。
そこで、2018年12月から「オルニュート」を水に溶かして投与することにしました。1スティック(5g)を朝夕2回、半量ずつに分けて投与したところ、1週間ほどで褥瘡に改善が見られ、患部はきれいに治りました。
「オルニュートを勧めていただいたおかげで、褥瘡が改善し喜んでいます。錠剤は扱いにくいですが、粉末なので摂取しやすいのがいいですね。オルニチンはもちろん、グルタミンや亜鉛、ビタミンCなども配合されていて、それらの成分の効果で治癒力が高まったようです」というT様。
その後、しばらくしてオルニュートの使用量を半分に減らしたところ、水疱が発生。再び、オルニュートを1日1スティック摂取するようにすると、その水泡はみるみるうちに消失したとおっしゃいました。
「いったん量を減らしたら、よくなかったから、1日に必要な量の成分が入っているのでしょうね。現在は1日1スティックを続けていて、全身の皮膚の状態がよく、訪問看護や入浴サービスに来てくださる看護師さんたちにも『肌がきれいね』と褒められます」
実際、奥様のお肌を見せていただくと、手足もお顔もツヤがあり、若々しくて驚かされました。普段、スキンケアとして行っていることは、週2回の入浴後に保湿剤を塗布するのみとのことでしたが、乾燥も全く見られません。
「褥瘡はできてしまうと、治るまでにかなりの時間がかかり、本人も周囲も大変です。オルニュートを摂ることで予防できれば、これほどいいことはありません。これからも続けていきたいですね」
オルニチンについてはこちらから
      ↓ ↓
http://ornithine.nurse-star.net/

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