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長岐 祐子先生の口腔ケアコラム第4回

第4回 入れ歯の手入れとケアグッズの管理

口腔ケアというと、歯磨き、粘膜清拭、舌磨きを一番にイメージしますが、入れ歯を入れている患者さんにとっては、入れ歯のお手入れも大事な口腔ケアの一つとなります。


健康な方であっても、歯磨きは丁寧にしていても、案外入れ歯のお手入れはサラッと終わらせている方も多く、歯科受診でのメインテナンス時には、入れ歯に歯石が付いていたり、クラスプ(歯にかけるバネ)の金属が汚れで変色していたりします。


入れ歯には、部分義歯、総義歯、コーヌス、マグネット、金属床、コンフォートなど、様々な種類があり、残存歯や顎の状態によっては複雑な入れ歯になっていたりもします。


そのため、加齢とともに手先が不器用になる、老眼が進むことから、自分でのケアだけでは不十分になってきます。



(入れ歯参照図)

介護が必要な患者さんにとっては、このような入れ歯を手入れしたり管理することは、自分の歯をケアする以上に難しく、また疎かになりがちです。


手入れをしない入れ歯を繰り返し使っていれば、せっかく口腔内のケアがしっかりされていても、入れ歯から菌が口腔内に感染し繁殖することもあり、ケアも半減してしまいます。


また合わない入れ歯を無理しては、あるいは患者さん自身が気が付かないで使っていると、歯に負担がかかっていたり、粘膜を傷つけていたりと様々な悪影響が起こっているはずです。


介助者は、1.患者さんが入れ歯を使用しているのかどうか。2.またそれは正しく使われているのかどうか。3.そのケア・管理は適切に行われているか。も確認していくことが必要です。


認知症の患者さんに多い傾向の一つとして、自分の入れ歯の管理が出来なくなり、決められた保管ケースに入れ歯をいれておくことが出来なくなり、その時々で様々な場所に入れ歯を置いてしまうことがあります。



介護側は入れ歯の紛失防止のために入れ歯に名前を書くことを依頼したりもしますが、入れ歯のケアが出来ているかの把握しておくことも必要です。


その他に、歯ブラシにカビがはえている、マグカップが水垢だらけ、という患者さんも少なくない事実です。このような環境下で歯磨き指導の支援もしても、効果は期待できませんので、患者さんがどのような予防グッズを使用し、管理状況がどうであるかの把握から、口腔ケアの支援レベルを考えていく必要があります。

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