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西山 順博先生の胃瘻(PEG)ケアコラム第5回

第5回 第16回PEG・在宅医療研究会 学術集会に参加して

平成23年9月10日に岐阜で開催された『第16回PEG・在宅医療研究会 学術集会』に参加しました。
http://www.congre.co.jp/heq16/kaicyou/kaicyou.html



この研究会は、2年前にHEQ研究会からPEG・在宅医療研究会に名称変更され、PEGなどの内視鏡治療の補助により患者のQOLの向上をはかり、在宅医療を推進することを目標とした研究会です。
http://www.heq.jp/



私は、パネルディスカッション『胃瘻・在宅医療の地域包括システムの現状と将来像』にて、『在宅医療における摂食嚥下障害患者の「嚥下状態のモニタリングができる地域連携」を目指して』と題し、胃ろう患者さんが究極の嚥下障害患者であるころを再認識し、定期的にPEGスコープ(ポータブル超細経スコープ)をもちいた、在宅での嚥下状態の評価の必要性について発表しました。



同セクションではグローバルホスピタルの望月弘彦先生『PEGモデルの作製と実践形式のPDNセミナー開催による地域連携に向けた取り組み』ともご一緒させていただきました。




また、シンポジウム『胃瘻造設・管理におけるチーム医療と各職種の役割』では、社会医療法人誠光会 草津総合病院で一緒に仕事をしている山田圭子看護師が『胃瘻のトータルマネージメント~造設・管理におけるNSTの関わりと看護師の役割~』と題し、同病院でのNST・PEGチームの行っているトータルマネージメントを発表してくれました。



チーム医療として胃ろう患者さんや在宅患者さんをサポートしていく上で、多職種が関わっていくことが必要であることは認知されてきましたが、各々がばらばらに活動していてもまとまらず、中途半端になってしまいます。



山田圭子看護師は私の書籍『PEGケアはじめの一歩』の主人公であるNs.ケイのモデルとなった看護師さんなのですが、我々のチームをしっかりとマネージメントしてくれるNST・PEGコーディネーターとして成長してくれました。



このコラムを読んでいただいた看護師さんも是非、NST・PEGコーディネーターを目指して地域で活躍していただけることを希望てします。



自分の医院だけで、自分の地域だけで行っている活動が本当に正しいのか?一人相撲になっていないかな?こんなに頑張っているのにみんな協力してくれない・・・。自問自答しながらの活動の中、年1回のこの学術集会は私のパワーの源でもあるのです。



第17回PEG・在宅医療研究会 学術集会は広島で開催されます。胃ろう患者さんのQOL向上に対する熱い思いをもった方々が全国より集う会です。是非、平成24年9月10日(土)は広島に集合しましょう!!



『PEGケアはじめの一歩』(9章の2)より抜粋 
http://www.peg.or.jp/kanren/book/pegcare-hajimenoippo.html

●NST-PEG コーディネーターおよび病棟リンクナースの重要性

専門医師やPEG の専門スタッフだけでなく、PEG 管理に関わるあらゆる職種のスタッフ(患者さんご自身も)が正しいPEG 管理を行っていくために必要なものは何か、試行錯誤して構築してきました。



クリニカルパス、胃ろう評価スケール等のツールがあっても、それを用いて活動を実践するためには病院内で中心となるスタッフが必要不可欠です。



システムを前進させるためには、医師の目線だけでは不可能で、患者さんの目線に最も近い病棟リンクナースと、それを束ねるNST - PEG コーディネーターの存在は非常に重要なのです。



さらに、退院後の施設や在宅にも、窓口になり地域連携に協力してくれる方が必要です。しかし、こういった人材の育成は難しいのも事実です。


コーディネーターの存在を認めてもらえる病院でなければ成立しません。このような看護師等コメディカルの地位の向上が、例えば認定制度(PEG ・在宅医療研究会(HEQ)で開始されている)等のかたちで実現できればと期待しています。

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