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専門家Q&A

一部肉芽ができている人の処置

ご質問

在宅の患者さんで、PEG周囲に肉芽ができやすい人がいます。
その都度硝酸銀で焼くことも今の診療所のではできないそうです。
硝酸銀で焼く以外に在宅で、肉芽ができにくくする処置、またできた時に対応を教えてください。

専門家の見解

PEG周囲の肉芽には難渋されている方も多いと思います。

まずはアセスメントが必要です。肉芽はPEGカテーテルの刺激により増殖します。PEGカテーテルが引っ張られたり、傾いたりすることで、瘻孔がめくれあがってできてPEG周囲の肉芽には難渋されている方も多いと思います。

まずはアセスメントが必要です。肉芽はPEGカテーテルの刺激により増殖します。PEGカテーテルが引っ張られたり、傾いたりすることで、瘻孔がめくれあがってできてきます。できないようにするにはPEGカテーテルが引っ張られないようにすることが大切です。ボタン型のカテーテルのサイズ(長さ)がきつい方に多いようです。外部ストッパーと皮膚の間が15㎜程度あるものが理想です。

基本ケア(①洗浄・拭き取り、②外部ストッパーの位置を変える、③外部ストッパーを押し込み気味にする)の徹底が大切です。

すでにできてしまったものは、出血を伴わないものであればステロイドの軟膏を塗布することで改善します。毎日観察することができる患者さんであればマイザーなどの強めのステロイドをたっぷり目に塗布することで数日で改善します(充分観察ができない方はリンデロン程度の強さのものに控えておかないと感染などのトラブルの原因になります)。いずれにしてもステロイド軟膏は2週間までをめどに漫然と塗布することは控えてください。

出血や膿瘍を伴う肉芽は在宅での処置には限界があり、硝酸銀で焼灼もしくは病院では電気メス等にて切除することになります。感染が起こっていれば抗生剤も投与します。たかが肉芽、されど肉芽、発熱の原因にもなりますので主治医の先生と相談し専門医にみてもらってください。

PEG周囲のスキンケアについては、我々が考案した『胃ろう評価スケール』『胃ろうケアフローチャート』が大変役に立ちます。下記のアドレスのサポート(サポート情報へ)をクリックしてダウンロードしてみてください。無料で利用できます。

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専門家の見解

(1)肉芽ができにくいように、チューブの倒れこみによる刺激を減らすため、ティッシュのこよりやコットンパフなどを活用します。
また、軽度の肉芽であればこれに強めのステロイド軟膏を併用することで対処できます。

(2)皮膚科の診療をしているところなどで液体窒素があればこれでいぼを取るときのように処置をしてもきれいになります。

(3)最終的にはメスによる切除+圧迫やソーブサンやカルトスタットなどの止血剤による止血で処置をします。肉芽には痛覚はないので局所麻酔は必要ありません。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
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