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専門家Q&A

鶏眼処置

ご質問

長年鶏眼に悩まされている患者様がみえます。肥厚している部位を削り、疼痛が消失したため経過を看ていました。しかし1ひと月ほど経過したある日、患者さまから「指が痛い。少し赤くなって腫れている。汁が出ている」と報告があり看てみると、ひと月前に治癒したはずの鶏眼部分に腫脹・発赤・茶色の出浸液・悪臭があり、やや熱感もありました。Dr.へ報告し肥厚した部位を削ると、鶏眼部分を中心に5×10mmのスポット形成がありました。毎回透析日に処置を行いようやく5×5mmのサイズまでは縮小しましたが、やはり鶏眼部分だけは肉の盛り上がり無く周囲ばかりが肥厚し、出浸液は減少しません。1週間程で薄く皮ははりますが、中は空洞です。除圧が一番必要と思い、スポンジなど使用し肥厚の進行はやや遅延していますが、スポット部分の治癒にはならないと思います。どのようにしたら良いでしょうか?

専門家の見解

鶏眼の部位が書かれていないので、もしかしたらいただいたご質問の内容にきちんとお答えできないかもしれませんが、ご容赦ください。

透析患者様の鶏眼や胼胝の管理はとても大切です。今回の患者様のように、角質下潰瘍を形成していることが少なくないのと、難治性なのがその理由です。
そして、足の創傷は治癒までにかなり長い経過を取ることが少なくありません。

今回は、患者様からきちんと伝えていただけたので、日頃の患者様との関係性が良好なことがうかがえます。それだけでも素晴らしいことだと思います。

さて、本題に入ります。

足の創傷管理で大切なポイントは、感染管理と除圧、血流評価です。
もし鶏眼が趾間なのであれば、趾間に圧をかけないようにスポンジなどを挟み込み、その状態で創部に圧がかからない履き物を選ぶ必要があります。

感染管理で大切なことは、抗生物質を全身投与すること、そして創洗浄を充分に行うことです。創傷が治る前に角質が上を覆ってしまうと、感染が再燃してしまうことが多いです。

角質が覆って一見治癒したように見えても、潰瘍面に肉芽が上がってこず中に空洞が残っている場合は、その角質は削り、内部の洗浄をするということを繰り返します。

また、治癒が遅い場合は、血流評価をします。SPPが図れればベストですが、もしご自身の病院や近くの病院になければ、ABIやTcPO2などを測定して医師に評価をしてもらい、血流改善の手段を検討してもらいましょう。

なおさんは、足のことをよく勉強されていますね。
患者様の足が1日も早く治ることを、心から願っております。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
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