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古武術介護

【古武術介護】古武術介護とは

投稿日:2014.01.22

古武術の「筋力に頼らない、体に負担をかけない」合理的な体の使い方と様々な場面に応用が出来る柔軟な発想をヒントに提案された「古武術介護」。

古武術とは、明治維新以前、日本が欧米化される前に、侍たちが剣、素手での格闘術、手裏剣、棒術などを総合的に行っていたものの総称と言えるでしょう。

現在の私たちは欧米型の生活スタイルとなり、動き方も欧米型の動作の影響が大きいと言われています。もちろん、介助技術も欧米型の運動理論が基になって作られています。

ところが、日本的な生活動作は欧米型とはかなり違う要素が見られます。私は、欧米人と比べ、体格、体力的に劣る日本人が筋力に頼らず、体の使い方を工夫してきたことに古武術を通し、気づかされました。

命のかかった場で育まれた古武術はかなり精密な原理によって構成をされ、運動理論として見てもかなり合理的です。言わば、古武術とは日本的運動理論の象徴と言えるでしょう。

しかし、欧米型の運動理論、既存の介助技術を安易に否定するのではなく、欧米型、日本型の双方の動き、発想の良さを融合し、より良い動きを目指すことが何よりも大事だと考えています。 そして、そのような考えから介助者の体の使い方を改善することで、一部介助から、全介助まで幅広い技術の「質」が向上し、介助する人、受ける人、双方にやさしい介助が可能となります。

また、型にはめられたマニュアル的な技術ではなく、患者さん一人一人の状態に合わせ、「オーダーメイド」の介助技術を創り出し、結果として体を痛めることもなくなる。そして、介助すればするほど、体を痛めるどころか、体が適切に鍛えられていく。そんな取り組みをこの連載では紹介していきます。

※「古武術介護」とは体の使い方を質的に改善し、それらを柔軟に応用発展していく、私個人の取組みのニックネームに過ぎません。

2004年に、医学書院 週刊医学界新聞で連載するにあたり、編集者がつけた連載タイトルが「古武術介護入門」。そして同名の単行本も出版されました。インパクトがある名前で差別化を図ろうということで、 つけられました。

この名前に私自身はこだわりがありませんし、組織化もインストラクター制度も作る必要性もないと考えています。だれもが技術を自由に工夫するための「素材」として、自分自身の技術を創り上げるためのヒントになればと思っています。

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