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坪田 康佑先生のコーチングコラム第7回

第7回 安心感をつくり出すコミュニケーションのコツ

投稿日:2012.03.16

話しやすい人、話しにくい人

前回まで、テーラーメイド(個別対応)なコミュニケーションの実現のために「タイプ分け」「優位感覚」に関することを取り扱ってまいりました。

「タイプ分け」「優位感覚」を活用しても、職場でのやりとりや患者さんとの会話で、話しやすいと感じる人がいる一方、「なんだかこの人とは話しにくいな」とか「この人とは話がうまく続かないな」と思う人はいませんか? 

話しやすい相手と話しにくい相手、そこにはどのような違いがあるのでしょう?

コーチはこの違いを「ペーシング」というスキルで埋めることにより、安心感のあるコミュニケーションをつくり出します。

今までのスキルを振り返りながら、読んで下さい。

ペーシングとは

2ペーシングとは「歩調を合わせること」「相手にペースを合わせること」、つまり「相手に合わせてコミュニケーションをとる」スキルです。

具体的には次のようなことを実践します。

<ペーシングの具体例>

* 相手と同じ速さ、同じトーンで話す

* 共通の話題について話す

* 相手の話を途中でさえぎらない

* 相手の使う言葉を自分も使う

* 同じものを注文する。同じものを飲む、食べる

親密感を通して、互いの防御意識や緊張感を取り払い、安心感を醸成するのです。

例えば、話している相手が同じ趣味を持っていたり、同じ学校の出身者だったりすると緊張がほぐれ、話が進むということはありませんか? 

また、話すスピードが同じ相手とは安心して話したり、相手の話に集中して聞くことができたりということはありませんか?

こうした「同じ」を意識的につくりだすのが「ペーシング」です。人は相手と「違う」ということに構えてしまいます。

反対に「同じ」ことを見つけると親近感を感じ、近寄りやすくなります。 ある東京の病院での事例です。

地方の病院からがん患者のAさんが、転院されてきました。 調子が悪そうなのに、なかなか身体の不調感など教えていただけません。

同郷だと知った看護師が、Aさんにあわせて、方言を活用する(ペーシング)ことにしました。 方言で話しかけた途端、今の身体の状況をお話して頂けるようになりました。

後から、お話を伺ってみると、今まで入院していた病院で、方言を使用されていたAさんは、標準語でお話される病院は、別世界の病院に感じられ、お話することに緊張してしまい話せなかったそうです。

また、身体の不調を「えらい」と訴えても、正確に伝わらなくて標準語で伝えようとしても上手に伝えられず、不安だらけだったそうです。

今回のケースは、方言と標準語と分かりやすい違いの事例ですが、話し方や話すスピードは人それぞれです。

相手が投げるボールをよく見て、相手が受け取りやすいようにボールを投げ、リズムよくボールが行き来する、そんな風にいい感じでキャッチボールをするイメージで会話をすれば、自然とペーシングすることができます。

理由ははっきりしないけど、なんだか話にくい相手がいるなら、ぜひこのペーシングを試してみてください。

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