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ナースの星WEBセミナー編集部レポート

宇都宮宏子先生 WEB退院支援塾 第2回 『退院支援のプロセス‐第一段階:退院支援が必要な患者の特定‐』

退院支援・退院調整から学ぶ

 前回の復習を含めて「退院支援は意思決定支援そのもの、退院調整は患者の願いを叶える為にどんな制度やサポートがあるか二つの視点でマネジメントしていきましょう。」と宇都宮先生よりお話がありました。

 一つ目の視点は「医療上の視点とADL、IADLの生活上の視点に分けて考えること」、二つ目の視点は「生活の場で継続可能な医療、重装備な医療をそぎおとしていくということ」とあります。私は今まで病棟・外来・在宅で看護師の経験があります。病棟勤務から看護師人生をスタートしたのですが、病棟時代は日々の業務に追われ患者主体の看護とは何か葛藤しながら働いていた記憶があります。

 二つの視点について改めて振り返った時に、病棟時代は退院支援カンファレンスの際に内服の管理が曖昧な患者や歩行状態に少し問題を見つけるとどうしたら改善できるのかということよりも、「この方を退院後自宅で一人にするのは危険です…」と発言していた自分を思い出します。もしかしたら自宅に帰れるかもしれない方の願いを叶えてあげられない状況を作っていたのかなと思うと非常に心が痛みます。その頃は在宅サービスについて知識が不足していたのですが、現在の在宅支援サポート制度は想像以上に充実しています。患者主体の看護とは何か、一度立ち止まって考えられるようにしていきたいと感じました。

 二つ目の視点について、外来・在宅看護師に移行したその後、地域に出て初めて私は退院した後の患者さんの様子を知ることになります。病棟時代では自宅での生活は困難だと考えるような方達が、制度を上手に活用しながら生き生きと在宅で生活できていることにとても驚きました。

 私の経験した在宅事業所では神経難病の方を多くサポートしており、どうしても病状の進行状況を予測すると、呼吸器や吸引などの医療行為は必要となること、病状が進行するとともにADLは全介助に近づいていくことは免れません。在宅用人工呼吸器のアラームが怖くて眠れないといった家族から不安を聞くこともありました。医療知識を持つ看護師の私たちよりも、家族は何十倍もの不安を抱えているはずです。そぎおとせない重装備の医療もありますが、利用者や家族の想いを軸にして不安なくどう自宅で生活できるかを考える必要があると思いました。

 病棟勤務をされている方にとっては治療の場での患者を看ているわけですので、在宅に帰りたいという患者の想いも叶えてあげたいけれど、やはり在宅に本当に帰していいのか不安になりますよね。講義内でも何度かお話があったかと思いますが、病院チーム・在宅チーム各々の役割をしっかり把握して情報共有していくことが、個々の状況にあった退院支援をしていく上で重要になってくるのかなと思います。

退院支援・退院調整の3段階プロセスから学ぶ

 医療間の連携について、宇都宮先生は講義内で退院支援・退院調整の3段階のプロセスを紹介しています。今回は第一段階の内容に重点をおいているので資料を一部抜粋します。

【第一段階 外来(入院決定)~入院後3日以内】
・退院支援が必要になる患者の把握
・入院理由・目的・理療計画などから退院時の状態像を予測
・退院支援の必要性を医療者間・患者・家族と共有

 退院支援に苦手意識のある方はもちろん、私のようにこれでよかったのだろうか…と自分自身の看護に悩んでいる方にとっても看護観のヒントになる内容となっています。宇都宮先生のセミナーで学び、一緒に退院支援に強いナースを目指しましょう!
 
(編集部ナース:小貫 奈津実)

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