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ケースレポートの書き方第2回

ケースレポートの書き方2 「事例を決め、展開を考える」

投稿日:2012.04.24

1 事例を決める

あなたは看護を通して「患者さんの症状がよくなった」、「患者さんが○○できるようになった」など嬉しい経験をしたことがあるでしょう。あなたが特に関わった事例ならその嬉しさはひとしおです。

反対に、一生懸命に関わったのに、いい結果が得られなかったという苦い経験もあることでしょう。ケースレポートで扱う事例は、患者さんの結果が良いとか悪いとかは問題ではありません。

重要なのは、あなたが十分に関わった事例であることと、しかも「書きたい」「残したい」と強く思える事例だということです。

2 事例の何を書きたいのか明らかにする

たくさんの関わりをもった事例は、思い出がぎっしりで、あれもこれも書いておきたいという気持ちになるでしょう。でも、雑多な情報を羅列してもケースレポートにはなりません。


ケースレポートでは患者さんの看護問題のひとつかせいぜいふたつを、看護診断を用いて掘り下げることになります。ですから、もっとも印象に残ったことを挙げるようにしてください。

3 展開を考える

書くことが決まったら、おおよその展開を考えます。
ここでは、わたしの経験を紹介することにしましょう。  


わたしが整形外科の看護師だった頃、Aちゃんという小学1年生の女の子を担当しました。Aちゃんは骨腫瘍で右下肢の大腿部からの切断を余儀なくされました。


天真爛漫だったAちゃんは、手術を期にその明るさをすべて失ってしまいました。
カーテンを閉め切って家族以外の誰も入れようとせず、話もしようともしませんでした。


下肢を失うことは、Aちゃんの心にも大きな傷を負わせてしまったのです。  
わたしたち看護師は、Aちゃんの心が明るさを取り戻せるよう、少しずつ介入することにしました。


Aちゃんにとって最も恐ろしいのは傷の消毒です。そこで消毒の時には穏やかな雰囲気をつくるように心がけ、Aちゃん自身にもセッシを持たせたりして、遊びながら関わるようにしました。


また傷周囲の清潔ケアでは、傷をいたわるように扱いました。その結果、閉め切ったカーテンが徐々に開かれるようになったのです。わたしたちはAちゃんが心を開き、外界との接触を求めていると判断し、積極的にコミュニケーションをとるようにしました。  


わたしたちはさらに、Aちゃんが自ら松葉つえで歩き、リハビリを開始できるようにしたいと考えていました。Aちゃんが自然に歩くようになるサプライズ企画を考えていたその時です。


ちらちらと初雪が降ってきたのです。病棟の子どもたちは大騒ぎです。「雪うさぎを見においで」の誘いに、Aちゃんは自然に松葉ついてナースステーションまで遊びに来てくれました。  


この事例は3つの時期にわけることができます。


「Aちゃんがカーテンを閉め切っていた時期」、「カーテンが開いた時期」、「自ら松葉つえで歩きだした時期」です。あなたの事例も、いくつかの時期に分けることができることでしょう。


時期を簡単な模式図にし、そこにどんな介入をしたかなどをメモ書きしておきましょう。これがケースレポートの展開になるのです。


この展開だけではケースレポートは書けません。
これを看護診断の形式にあてはめて膨らませていく必要があります。
次回にその方法を詳しく解説することにします。 

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