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薬剤コラム第6回

薬剤コラム第6回 解熱剤の座薬の使用上の注意

投稿日:2014.10.07

こんにちは。薬剤師の加治です。
今回は小児病棟や小児外来の看護師さん向けで、解熱剤の座薬に関してのお話です。
私自身も小児科に受診されたお子さんのご家族に対して服薬指導を多く行っていますが、熱が高い=解熱剤の座薬という考えをお持ちの方が多い印象を受けています。

解熱剤の座薬も安易に使用することは副作用の発現や風邪を長引かせる可能性もあるため、座薬の使用の使用法・副作用・挿入のタイミングなどを是非頭に入れておいて欲しいと思います。

風邪をひいて熱が出るのは、熱を出すことによって免疫反応を高めて病気を治すための生理現象です。
しかし、発熱は風邪を早く治すためだからといって高熱のまま放置して良いわけではありません。必要以上に体温が上昇すると、体力も消耗し抵抗力も落ちます。
目安として38度5分以上で解熱剤を使って熱を下げてあげるとよいでしょう。

また解熱剤は1度使ったら6時間以上間隔を空け1日に3回以内にして下さい。
体温の上下の幅が大きいほど体力を消耗しますので、無理に座薬を入れないよう心がけるのがポイントです

また、副作用のことも考えなくてはなりません。

解熱剤が小児のライ症候群という脳症を引き起こす可能性があります。インフルエンザの時に、ボルタレン座薬などの解熱剤の使用が脳症を引き起こす可能性もあります。
副作用の観点からも安易な解熱剤の使用はお勧めできません。

心配であればおでこ・首・脇の下などを冷やしたり、水分補給をしてあげるようにしてください。

解熱剤を使うときのタイミングにも注意があります。

熱の上がり始めに寒気がしてふるえを感じる経験をされたことが一度はあると思います。寒気がしているときに解熱剤を使ってもほとんど効果がないことがあります。

そのため解熱剤を使うときは、お子さんの手を触ってみて、手が冷たい時はすこし待って手が暖かくなってから使いましょう。

熱が出たらたくさん服を着せて汗をかかせることのではなく、熱を溜め込まないように薄着にしましょう。熱を溜め込むと逆に熱を上昇させ、体力を落とす結果になります。

また汗をかいた分、水やお茶、スポーツドリンクなどをしっかり与えて下さい。飲みたがらないようでしたら、元気が良ければ与えなくてもよいのですが、体調が悪そうであれば点滴が必要かもしれませんので、医師の診察を受けるようにしてください。

食事は食べないようであれば無理に上げる必要はありません。
風邪の時は胃腸の消化機能も落ちているので消化の良いものを食べさせてあげてください。

家族からしたら子供が食事をとらないと心配かと思われますが、水分をしっかり補給していれば無理に食べさせる必要ありません。

以上のことを頭に入れておくと、風邪の時も冷静に対処できると思います。

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