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Go Go Mr.Nurse! File 第3回

Go,Go,Mr.Nurse! File.003  坪田康佑さん

投稿日:2015.05.19

男性看護師にお話をうかがっている本コーナー。

今回は移動型診療所「どこでもクリニック」(準備中)、「日本男性看護師会」を設立された坪田康佑さん(32歳)にインタビューしました。
看護の現場から、外側から、両方の視点をもった坪田さんの医療、看護への思いの一端をご紹介します。

きっかけは中学校の授業だった

最初に医療に興味をもったのが中学生の時だったという坪田さん、なぜ看護師を目指したのでしょうか。

「中3の時の経済の授業で医療経済というものを知りました。保険制度からはずれたものは、良いケア、良い技術であってもできないという現状に疑問をもちました。
高校で進路を考えたとき、医者になるか、医療経済をやるか悩んだのですが、附属の慶應大学に看護医療学部が初めてでき、介護保険制度が始まったこともあり、介護・医療と両方にかかわる、患者さんに一番近い存在はナースだと思ったのです。」

実際に看護の勉強を始めてみて、少数派として戸惑いはありませんでしたか?

「男子校出身だったので女性と話すのが苦手で、女性が多い環境の中でどうやって対応してよいのか悩んだ時期もありました。
幸い、親切な同級生に男女のコミュニケーションの違いを教えてもらい助かった経験がありました。人との関わり方の転換期だったと思います。」

その後、専門学校教師、米国MBA留学、コーチングファームなどさまざまな場で活躍をされます。着実にご自身のやりたい道を歩まれ、満を持して看護の現場に戻られます。

「コーチングは目標達成のためにクライアントに考えて頂く、つまり人の夢を応援する仕事です。
僕は根っからのプレイヤーだったようで、プレイヤーの人が羨ましくなってきてしまったのです。自分も夢を実現したいなと。」

どこでもクリニック益子開設

そして、移動型診療を行う「どこでもクリニック」を栃木県芳賀郡益子町で挑戦しはじめます。

「震災で眼科診療ができる大型車をマイアミ大学から借りてきたという話がきっかけでした。日本にはこのようなシステムが、有事のときだけでなく、平時のときもないと。医療保険を払っているのに、医療を受けられない地域が日本には700以上もあります。
そんな不平等を改善したいと思い、賛同してくれた仲間と厚労省への働きかけから始めました。」
坪田さんとその仲間の方々の熱意によって厚労省局長通知も変わり、移動型診療を実践するためにクリニック開設へとなったそうです。

無医地区ならではのエピソードもありますよね?

「先日、重度の腰痛患者さんがいて、病院を紹介したのですが、その患者さんが『治ったよ!』とお忙しいのにその一言のためにわざわざ来てくれ、受付で全員に報告してくれました。モチベーションが上がりますよね。
診療所ナースは患者さんがちょっと挨拶しただけで、今日は声のトーンが低いなとかわかる。頭の中に患者さん情報、家族情報までかなり入っています。そうすると、生活習慣へのアプローチがかなり違ってきます。
うちの事務なんて、一部の患者さんに関しては、車のブレーキ音でだれか判別つくくらいです!」

今、一番注力されていることは何ですか?

「無医地区には、訪問看護ステーションもありませんでしたので、訪問看護ステーションの設立に注力しています。興味がある方は、是非とも遊びにいらして頂けると嬉しいです。」

Facebookから始まり、日本男性看護師会設立へ

まさに顔がみえる医療を実践していらっしゃる坪田さん。
さらに日本男性看護師会を立ち上げられました。

「男性看護師は多いようで少ない。男性看護師のキャリアなどを相談する場があればいいなと思い、Facebook でグループを作ったところ、1日で80人近く集まりました。
そこから日本男性看護師会を立ち上げ、男性看護師だけでなく、女性看護師からの相談も受けたり、情報を集めたり、これらを集約していくと世の中に役に立つのではと期待しています。」

今後、男性看護師のためのより良い環境作りに必要なことは何でしょうか?

「悩みの中で一番多いのは実は『男性看護師数』についてです。男性看護師が病棟にもう一人いれば相談できるのですが、一人だけだと悩みも相談できず、辞めてしまう。男性看護師数の多い病院は離職率が低く、少ない病院は高いのです。
男性看護師数が増えそうすればいろいろな可能性も増えてくるのではないかと思います。今後は男性看護師の就職の際のサポートもしていきたいと考えています。」

男性看護師だからこそ感謝される部分ももちろんありますよね?

「例えば前立腺がんの患者さんにケアの説明をする場合、男性だからこそできる納得のいく説明ができます。逆に乳がんで乳房を切除してしまった患者さんが、同性にケアされたくなかったから男性でよかった、というエピソードもありました。
女性医師による婦人科外来のように、男性看護師・女性看護師を患者さんが選べるような、多様性のある医療になったらいいなと思います。」

プライベートでは男性看護師を応援し、無医地区での訪問看護ステーション設立。
常に「誰かの役に立つこと」を軸に、医療制度や経済のことも視野に入れて精力的に活動されています。
坪田さんのような医療従事者が増えると、日本の医療の未来も明るくなるような、爽やかな気持ちになれるインタビューでした。
1. 役に立つことは何かを考よう
2. 内側からも外側からも見てみよう
3. 悩みは吐き出してしまえ
4. 疑問に思ったら、まずはやってみよう
5. 全体のスキームも考えよう

協力:日本男性看護師会

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