専門家Q&A
皮膚剥離
投稿日:2014.08.12
ご質問
皮膚剥離について質問します。
処置の方法ですが
イソジン消毒→ステリストリップ→当てガーゼ
以上の様な処置をしてますが、
医者によっては、
イソジン消毒はせずに、デュオアクティブET を貼りなさいと言われます。
私は剥離にイソジンは、キズに刺激が強いし、剥離は感染創じゃないから、洗浄してET を貼った方が、ET が剥がれた皮膚の保護をしてくれると思うのですが、どうなのでしょうか?
教えて下さい
処置の方法ですが
イソジン消毒→ステリストリップ→当てガーゼ
以上の様な処置をしてますが、
医者によっては、
イソジン消毒はせずに、デュオアクティブET を貼りなさいと言われます。
私は剥離にイソジンは、キズに刺激が強いし、剥離は感染創じゃないから、洗浄してET を貼った方が、ET が剥がれた皮膚の保護をしてくれると思うのですが、どうなのでしょうか?
教えて下さい
専門家の見解
※編集部注:小林郁美先生が現在お休みされておりますので、渡辺光子先生にご回答いただきました。
皮膚剥離に対するケアということですが、処置方法を決定する前に、まずは皮膚損傷の原因を確認しておく必要があります。
この方の皮膚剥離はなぜ起こったのでしょうか。
もともと脆弱な皮膚であれば、わずかな物理的刺激で容易に皮膚剥離を起こしてしまう、老人特有の皮膚損傷、いわゆる「スキン・テア(皮膚裂傷)」が考えられます。このスキン・テアに関する資料は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会ホームページで紹介されていますのでご参照ください。
http://www.etwoc.org/pdf/starJapaneseFinal.pdf
スキンテアとは,「主として高齢者の四肢に発症する外傷性創傷であり,摩擦単独あるいは摩擦・ずれによって,表皮が真皮から分離(部分層創傷),または表皮および真皮が下層構造から分離(全層創傷)して生じる」創傷とされています。
「テープ剥離時に皮膚も剥がれた」「ベッド柵に腕が擦れ,皮膚が裂けた」といった日常のケアや生活の中で起こり得るものの,医療者間でもそれらが「スキンテアである」という認識に乏しく,発症理由・予防法も共有されていない。といった現状があります(日本創傷・オストミー・失禁管理学会hp資料より引用)。
局所のケアですが、感染徴候のない創には基本的に消毒は不要で、微温湯や生理食塩水による洗浄が推奨されています。痛みに敏感な場合は、水道水より生理食塩水の方が刺激が少ないです。スキン・テアの場合、止血・洗浄の後、可能であれば剥けてしまった皮膚・皮弁をできるだけ元の状態に、愛護的に戻すことを試みます。
この際、ステリストリップテープを貼付する場合があります。ドレッシング材に関しては、創や皮弁の状態に加えて周囲皮膚の脆弱性を十分にアセスメントした上で、低固着性あるいは非固着性(創にくっつきにくい)タイプを選択します。ハイドロコロイドドレッシング材(デュオアクティブETなど)にもある程度の粘着力があるので、次に交換する際の二次損傷を起こさないかどうか、見極めてから使用する必要があります。
ガーゼの場合は、創に固着して剥がす際に出血や痛みを誘発するリスクがあるので、油性基剤の軟膏を併用することも検討しましょう。さらにガーゼを固定する絆創膏で新たな皮膚剥離を起こす危険がある場合は、絆創膏ではなく包帯やネット固定を活用する方法もあります。
皮膚剥離の処置は、創と皮膚の脆弱性を必ずアセスメントした上で、より安全な方法を選択できるとよいと思います。
皮膚剥離に対するケアということですが、処置方法を決定する前に、まずは皮膚損傷の原因を確認しておく必要があります。
この方の皮膚剥離はなぜ起こったのでしょうか。
もともと脆弱な皮膚であれば、わずかな物理的刺激で容易に皮膚剥離を起こしてしまう、老人特有の皮膚損傷、いわゆる「スキン・テア(皮膚裂傷)」が考えられます。このスキン・テアに関する資料は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会ホームページで紹介されていますのでご参照ください。
http://www.etwoc.org/pdf/starJapaneseFinal.pdf
スキンテアとは,「主として高齢者の四肢に発症する外傷性創傷であり,摩擦単独あるいは摩擦・ずれによって,表皮が真皮から分離(部分層創傷),または表皮および真皮が下層構造から分離(全層創傷)して生じる」創傷とされています。
「テープ剥離時に皮膚も剥がれた」「ベッド柵に腕が擦れ,皮膚が裂けた」といった日常のケアや生活の中で起こり得るものの,医療者間でもそれらが「スキンテアである」という認識に乏しく,発症理由・予防法も共有されていない。といった現状があります(日本創傷・オストミー・失禁管理学会hp資料より引用)。
局所のケアですが、感染徴候のない創には基本的に消毒は不要で、微温湯や生理食塩水による洗浄が推奨されています。痛みに敏感な場合は、水道水より生理食塩水の方が刺激が少ないです。スキン・テアの場合、止血・洗浄の後、可能であれば剥けてしまった皮膚・皮弁をできるだけ元の状態に、愛護的に戻すことを試みます。
この際、ステリストリップテープを貼付する場合があります。ドレッシング材に関しては、創や皮弁の状態に加えて周囲皮膚の脆弱性を十分にアセスメントした上で、低固着性あるいは非固着性(創にくっつきにくい)タイプを選択します。ハイドロコロイドドレッシング材(デュオアクティブETなど)にもある程度の粘着力があるので、次に交換する際の二次損傷を起こさないかどうか、見極めてから使用する必要があります。
ガーゼの場合は、創に固着して剥がす際に出血や痛みを誘発するリスクがあるので、油性基剤の軟膏を併用することも検討しましょう。さらにガーゼを固定する絆創膏で新たな皮膚剥離を起こす危険がある場合は、絆創膏ではなく包帯やネット固定を活用する方法もあります。
皮膚剥離の処置は、創と皮膚の脆弱性を必ずアセスメントした上で、より安全な方法を選択できるとよいと思います。
こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。
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