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第5回 訪問看護ステーション訪問レポート 訪問看護ステーションいきいきらいふ

その他投稿日時-(2015-10-07)ナースマガジン

今回お訪ねした【訪問看護ステーションいきいきらいふ】(熊本市)は、この8月で開設9年目に入ります。
医療機関系列のステーションも多い中、当ステーションの運営母体は、医療機器販売卸のアイティーアイ株式会社(本誌のMISパートナーでもあります)。
前職では医療機関系列のステーション運営に携わっていた、訪問看護師歴19年の濱﨑ももよさんに、お話をうかがいました。

強みは自由度の高いチームケア

濱﨑さんは病院系列の訪問看護ステーション(以下ステーション)の立ち上げ、運営を経て現職に就いていらっしゃいます。
はじめに、本ステーションの特色をお聞きしました。

「自由度の高いチームケアを実践していることです。在宅医療は、個々の利用者さんのニーズや病状に応えてこそ満足につながるのですから、各事業所の強みを把握して、さまざまな機関と自由に連携できなければなりません。
連携した以上は主治医や居宅支援事業所と対等な関係で、1カ月に1回顔を合わせてとことん話しあいます。
ケアプランを作成するのはケアマネジャーですが、全身状態や予後予想なども含め、訪問看護師の観察と判断は重要です。
何をどうすることがより良いサポートになるのか、それぞれの立場から意見を出し合っています。

在宅だから主治医は地域の開業医、という固定観念もありません。状態が急変し、緊急搬送の可能性が高い方の場合は、24時間対応可能な急性期病院の担当医に主治医として残っていただくこともあります。

また、会社のPR活動の一環ともいえますが、この9年間、講演や研修会は一般市民、医療従事者を問わず、さまざまな場所で自由にさせてもらっています。会社自体が医療機器販売を通して病院とつながりがありますから、熊本県外の病院や関連団体とも人脈を作ることができます。活動の場が広いことが、会社組織で運営されている当ステーションの特色であり、よいところです。
そしてもう一つ、主治医から在宅医療に必要な医療機器手配の依頼があったとき、迅速に対応できることです」

アイティーアイ株式会社は、創設当時からの透析関連機器をはじめ、在宅酸素療法や在宅経管栄養療法に関連する器械も取り扱っています。 
会社自体が在宅医療に直結する事業を行っているという、民間企業ならではの特色といえるでしょう。

サービスを提供する側、される側に安心と満足を

いきいきらいふでは、在宅看取りも少なくありません。

「病院というのは治療の場であって生活の場ではありません。在宅で看取るということは、家族や周りの人たちにとっては大変なことですが、ご本人にとっては一番贅沢な環境ではないでしょうか」
かく言う濱﨑さんですが、ご自身のお父様の在宅介護は叶わなかったそうです。

「最期は天草の実家につれて帰ろうと思っていたのですが、受け入れ側がまとまりきれなくて。こういう仕事をしているので尚のこと、できなかったことにものすごく悔いが残っています。
在宅、在宅と簡単に言いますが、実際にはいろいろな問題があって、本当に大変なんだなあと痛感しましたね。
だからこそ、自分が関わる方にはできる限りのお手伝いをしたいんです」
と、ある女性のエピソードを紹介してくれました。
「40代の女性で、まだ籍を入れたばかり。これからご夫婦で歩んでいこうという矢先にがんが発見されたんです。末期の状態で、ご主人は在宅介護のためにお仕事を辞めていました。
しばらく帰っていない阿蘇の実家に行って、二人の写真を撮りたい、思い出を作りたい、という奥様の希望を何とか叶えようと、在宅主治医の先生とケアマネさんと私の3人がご夫婦に付き添って、阿蘇まで行きました。
痛みがあるので持続皮下注や点滴をしながらです。思い出の写真を残すことができたと、とても喜んで下さいました。
なんというのでしょうか、もうお金とか仕事とかいうことではなくて、その方のことを思うと動かずにはいられませんでした。もちろん、主治医の協力をいただき、チームで対応できたからですけれども」

ここで疑問なのが、外来診療と訪問診療を一人の医師がどう対応しているのかということです。

「熊本も長崎在宅Dr・ネットにならい、在宅医のネットワークが組織されています。ここに属する先生方は、利用者さんの了解をいただいた上でのダブル主治医制をとっています。必ずどちらかの医師が24時間対応可能なので、利用者さんの安心と医師の活動の自由度が確保される、良いシステムだと思います」

訪問看護は看護の醍醐味

在宅が患者にとって最高の環境であるためには、家に戻るタイミングも重要です。
「患者さんはご自宅に帰りたいと思っていても、自分がそうできる状態にあるのか、受け入れ態勢は整っているのか、など不安がいっぱいです。
病棟の担当看護師はそういう思いを察知し、『訪問スタッフがサポートするから大丈夫ですよ、ご自宅に帰りましょう』と背中を押してほしいのです。
タイミングを逃し、ADLがひどく低下してから私たち訪問スタッフに入ってほしいと言われても、そこからできることは限られてしまいます。当ステーションの平均在宅日数は55日ですけれども、短い方は戻られて1〜2日で亡くなられました。
もっと早く帰してくれたら、と残念なケースです。病棟ナースたちにこそ、在宅に移行するタイミングを提案して在宅スタッフにつなぐ重要な役割があります。もっともっと在宅医療、訪問看護の意義を伝えていきたいですね」
と濱﨑さんは言います。

一方、重症な方の訪問看護を引き受ける以上は、看護ケアの質を落とさないためにもナース自身がしっかり休息をとりリフレッシュできる態勢、つまり人員確保が必要です。
しかし現実は、どこのステーションでもマンパワー不足が悩みの種。

「看護学生の訪問実習を当ステーションでも受けているのですが、みんなものすごくいい感性を持っています。
訪問先での出来事に心を揺さぶられ、目を輝かせて実習から帰ってきます。
ところがいったん病院に戻ってしまうと、その感動を忘れてしまう上に、一人で判断する責任や24時間待機の重さから、訪問看護師を敬遠しがちです。
私にとっての訪問看護は、多くの利用者さんの最期にいたる経過を見届ける中で、いろいろなことを考え人生勉強をさせていただける、やりがいのある仕事。
訪問看護は看護の醍醐味だと思っています」

そこで今後は、経験の有無に関わらず実地訪問の実績と感動を積み重ね、利用者さんに信頼される訪問ナースをステーションで育てていく予定だそうです。
新卒ナースには、病院研修も組み込んだ教育プログラムを用意してバックアップしていきたい、とのこと。

マンパワーの確保は喫緊の課題ですが、それ以上にご自身の体験を通して、訪問看護の醍醐味ややりがいを若いナースたちにも伝えたい。そんな濱﨑さんの熱い思いのあふれるインタビューでした。

訪問看護ステーション いきいきらいふ

 〒082ー8606
熊本県熊本市南区平田2ー12ー18
TEL 096 ー311 ー1011
http://www.iti-e.co.jp/ikiikilife/

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